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冬に痩せるにはどうすべきか

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冬になると、体重が増えるもの。

冬こそダイエットが効果的な季節だと言う人もいますが、冬に太る人の方が多いでしょう。サラブレッドだって冬に太りやすいし、クマだって冬眠前に太ります

冬は呼気に多くの二酸化炭素が含まれていることから、体内で脂肪の燃焼が起こっていると考えられています。でも、事実として太る人の方が多いのですから、冬は太りやすい季節なのでしょう。

だから、冬に太るのは仕方がないと割り切ってしまいましょう。

糖質制限を始める

冬に太るのは仕方がないですが、だからと言って何もしなければ、春以降も太ったままになってしまいます。

春以降に脂肪が減るようにするためには、冬のうちに食生活を改善しておいた方が良いでしょう。

 

食生活の改善って、カロリー制限をするの?

 

と思うかもしれませんが、摂取カロリーなんて、まともに計算できないのですから無視して構いません。それよりも、体内に脂肪を蓄えやすくする糖質の摂取量を減らすこと、すなわち、糖質制限をすることの方が重要です。

糖質制限は、カロリー制限のように難しくはありません。ただ、米、小麦、砂糖、果物といった糖質(炭水化物)が多く含まれている食品をできるだけ食べないようにするだけです。

茶碗一杯に白米を食べていたのを茶碗半分にするのも、立派な糖質制限です。5枚切の食パン1枚を朝食で食べていたのを6枚切の食パン1枚に変更するのも立派な糖質制限です。

ただ、ダイエット効果をより高めるためには、今まで食べていた白米や食パンを魚の切り身、ハム、ベーコン、卵などの動物性タンパク質が豊富な食品に置き換える方が良いです。

糖質制限を始めたからと言って、基本的に食事量を減らす必要はありません。糖質制限は、糖質の多い食べ物から糖質の少ない食べ物に交換して食べることと理解してください。

もしも、糖質制限を開始しても、体重が増えていく場合には食べすぎの可能性があります。その場合に初めて食事量を減らすことを考えましょう。

糖質摂取で太る理由を理解する

太っている状態を必要以上に体に中性脂肪が蓄えられている状態と定義すると、痩せるとは、体に蓄えている中性脂肪を減らすことと言えます。

中性脂肪を減らすためには、基本的に中性脂肪からエネルギーを取り出して消費しなければなりません。

ここで、中性脂肪とはグリセロールと脂肪酸がくっついたものであり、中性脂肪からエネルギーを取り出すためには、まず、中性脂肪をグリセロールと脂肪酸に分解する必要があります。そして、中性脂肪を分解するために働くのが、ホルモン感受性リパーゼです。

ホルモン感受性リパーゼは、何もしなくても中性脂肪を分解してくれますが、糖質を摂取して血糖値が上がった時にたくさん分泌されるインスリンによって働きが抑えられます。

だから、中性脂肪を分解するためにはホルモン感受性リパーゼが働き続けている状態を維持する必要があり、そのためにはインスリンがたくさん分泌されるのを防がなければなりません。そして、インスリンは血糖値が上がった時に多く分泌されますから、血糖値を上げないようにする必要があります。それは、つまり、血糖値を上げる原因となる糖質をできるだけ摂取しないということにつながるのです。

糖質制限をすると、痩せやすくなる理由の一つが、これなんですね。

糖質の中でも果糖は太りやすい

反対に糖質を摂取すればするほど、中性脂肪を体内に溜め込みやすくなります。

特に果物に多く含まれている果糖は、速やかに中性脂肪に変わります。

糖質の中で、最もよく口にするのはブドウ糖です。ブドウ糖は、食べ過ぎると中性脂肪になってしまいます。ブドウ糖は、細胞内の解糖系でピルビン酸に加工され、ミトコンドリアに送られます。ミトコンドリアでは、ピルビン酸を加工してアセチルCoA(コーエー)を作り、さらにオキサロ酢酸とくっつけてクエン酸を作ります。

そして、クエン酸からエネルギーを取り出すためにミトコンドリアの中では、クエン酸回路が回ります。しかし、エネルギーが十分にある状況では、クエン酸は、再びアセチルCoAとオキサロ酢酸に戻り、アセチルCoAは脂肪酸合成の流れに乗り中性脂肪となって体に蓄えられます

ただ、ブドウ糖の場合、エネルギーが足りている状況では、解糖系でブレーキがかかります。

果糖も主に肝臓で吸収されて、解糖系でピルビン酸に加工され、ミトコンドリアに送られます。しかし、果糖の場合は、エネルギーが足りている状況でも、解糖系でブレーキがかからないので、次々にミトコンドリアにピルビン酸が送られていきます。そして、ミトコンドリアでは、余ったアセチルCoAを脂肪酸合成の流れに乗せていくので、中性脂肪が溜まっていきます。

果物は、ヘルシーに思えますが、それに含まれている果糖は、ブドウ糖よりも中性脂肪に変わりやすいので、中性脂肪を減らしたいのなら、たくさん食べない方が良いです。

 

冬に痩せるのは、難しいです。

でも、冬にできるだけ太らないようにする工夫はできます。

  • コタツに入ってミカンばかりを食べていては、太りやすくなります。
  • お正月にお餅ばかり食べていては、太りやすくなります。
  • 鍋料理の締めに雑炊やラーメンを食べていては、太りやすくなります。
  • 体を温めようと甘酒をたくさん飲んでいては、太りやすくなります。

 

冬の定番料理は、太りやすいものばかりです。どれもこれも、糖質が多く含まれていますからね。

冬に中性脂肪が溜まらないようにするためには、糖質摂取量を減らした方が良いですよ。


糖質制限とおせち料理問題

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糖質制限をしていると、お正月のおせち料理を食べるべきかどうか、という問題に直面します。

おせち料理には糖質がたくさん含まれた食品が多く、重箱に所狭しと並んでいます。お腹いっぱい食べれば、血糖値スパイクを起こすこと間違いなし。

「1年の始まりにそんな不健康食を食べられるか」と思うものの、正月は、親戚づきあいなどで、食べるのを断るのが難しい場面が訪れるものです。

糖質制限をしている皆さんは、おせち料理問題をどう処理しているのでしょうか?

諦めておせち料理を食べる

面倒なことは避けたいと思う人は、周囲と同じようにおせち料理を食べるのが良いかもしれません。

「糖質制限をしているから、黒豆も栗きんとんもいらない」と言い放って、エビや数の子ばかりを食べ、険悪なムードを作るのは得策ではないでしょう。だから、正月から、人ともめたくない方は、諦めておせち料理を食べてしまいましょう。

人ともめないだけでなく、たまに糖質たっぷりな食事をすることで、新たな発見があるものです。

糖質制限をする前は、なんとも感じていなかった高糖質な食品が、糖質制限を始めてから食べると、お腹が重苦しい感覚になることがあります。

昔は、お餅を食べるとお腹いっぱいになったと感じていたのが、今では、お餅がお腹に溜まっているという感覚に変わっていることに気づくはずです。お正月に食べるおせち料理や雑煮は、人類は炭水化物を消化するのが苦手だと理解する絶好の機会なんですよね。

だから、お正月におせち料理を食べることは、決して無駄ではないのです。

あえて、おせち料理を食べることで、糖質摂取のデメリットに気づくことができるのですから、お正月くらいは、高糖質な食品を食べてみるのも良い経験だと割り切ってしまいましょう。

糖質制限を貫き通す

私の場合はどうかというと、お正月に親戚宅にお邪魔することがなくなったので、今は、高糖質なおせち料理を食べることはありません。

数の子、エビ、焼き魚を主に食べます。それだけでは足りないので、かまぼこも少々食べますね。

雑煮は、お餅抜き。

お酒は、お猪口一杯だけ。ハイボールなどの低糖質なお酒なら飲んでも良いですが、10年以上前から、外でお酒を飲む習慣がなくなったので、今はお酒を飲みたいと思わなくなっています。

むしろ、お酒を飲んだ後に酔うと、その後に何もできなくなり、時間がもったいないと思うようになっています。元日から仕事をしていますから、お酒を飲んでいられないという理由もあります。

当然、糖質を摂取すると、頭がボーっとしてきたり、お腹が重苦しくなりますから、お正月でも当たり前のように糖質制限をしています。

糖質もお酒もたまには良かろう

まあ、たまには糖質を摂取しても良いんじゃないですか。

私も、節分の日には、甘酒を飲んだり、お汁粉を食べたりしますからね。

毎日毎食、高糖質な食事ばかりをしていると、そのうちすい臓が壊れてしまいますが、たまに糖質を摂る程度であれば健康上の問題はないでしょう。お正月のおせち料理も、そのたまに摂る糖質だと思って気にせず食べる方が、変なストレスにならずに済むはずです。

新年早々から、食事で悩む方が逆に不健康になりそうですから、あまり深く考えずにお正月を過ごしましょう。

オートファジーでダイエットは難しい

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われわれ人間の細胞内にはリソソームと呼ばれる小器官が存在しています。

このリソソームは、細胞内の一部を分解する働きをしています。細胞内の一部を分解したら、細胞は死んでしまうのではないかと思いますが、分解されたものは再び細胞が食べて、自らの体を維持します。この働きをオートファジーといいます。

なんで細胞が自分の体の一部を食べるかというと、飢餓を乗り越えるためです。体外から栄養が入ってこなくなった場合には、オートファジーで栄養を作り出し、それを食べることで細胞は餓死をしなくて済みます。

それなら、絶食をしてオートファジーを活発にすれば、ダイエットできるはずだと思いますが、それは難しいようです。

オートファジーの役割

オートファジーには、以下の働きがあります。

 

  1. 飢餓に耐える
  2. 発生の過程で細胞内を大規模に入れ替える
  3. 細胞内を浄化する
  4. 自己成分以外を分解する

 

オートファジーは、飢餓状態になると活発になるので、「1」の飢餓に耐えることが主目的と考えられています。だから、オートファジーを利用すれば効率的にダイエットできるのではないかと考えるわけですね。

「2」については、生命が誕生する際に細胞の中身を大きく変化させなければならない場面があり、その際もオートファジーが働きます。

「3」は、細胞が生存していると中にゴミが溜まって来るので、そのゴミを分解し細胞内をきれいにする働きです。

「4」は、細菌やウィルスなどの異物を分解する働きです。

こうやって見ると、「1」以外の役割も重要だと感じます。

オートファジーは脂肪も分解できる

オートファジーは、タンパク質を分解してアミノ酸にします。そのアミノ酸を使って再びタンパク質を合成するので、延々とオートファジーとタンパク質合成を続けていれば、タンパク質を食べなくても問題なさそうです。

1日にアミノ酸に分解されるタンパク質の量は約200グラムと言われています。分解されてできたアミノ酸は、いったんアミノ酸プールに集められた後、タンパク質の再合成に使われます。

この説明だけを読めば、タンパク質を食べる必要はなさそうに思えます。ところが、分解されてできたアミノ酸の一部は対外に捨てられますから、タンパク質を食べなければ、身体を維持できません。

体外に捨てられるアミノ酸は、体重に1グラムを乗じた量だとされています。例えば、体重が50kgの人だと50グラムのアミノ酸が捨てられるので、同量のタンパク質を食べなければ、アミノ酸プールに200グラムのアミノ酸を維持できません。

タンパク質を外部から調達しなければならない以上、絶食によるダイエットには限界があると言えそうです。

オートファジーは、タンパク質だけでなく、脂肪を分解することもできます。

だから、絶食すれば、オートファジーが活性化して脂肪を減らせるはずだと思いつきますし、それは事実でもあります。

水島昇先生の「細胞が自分を食べるオートファジーの謎」にも、肝細胞などにある比較的小型の脂肪滴はオートファジーで分解できると説明されています。脂肪肝の方にはうれしいお知らせではないですか。

ところが、脂肪細胞に過剰に蓄積した脂肪は、核より大きな脂肪滴のため、オートファジーで分解するのは困難です。したがって、オートファジーの力だけで肥満を解消するのは現実的ではないようです。

中性脂肪を分解するのはリパーゼ

お腹周りについている一般的に脂肪と言われている物質は、正確には中性脂肪です。

中性脂肪の分解に関わっているのは、リパーゼで、身体に蓄積した中性脂肪を分解するリパーゼをホルモン感受性リパーゼといいます。

このホルモン感受性リパーゼの働きを活発にしてあげれば、中性脂肪が分解されてできた脂肪酸をエネルギー利用できます。では、ホルモン感受性リパーゼを活発にするにはどうすれば良いでしょうか。そもそも、そんなことできるのでしょうか?

もちろん、できます。

ホルモン感受性リパーゼは、糖質を食べたときにすい臓から分泌されるインスリンによって働きが抑えられます。だから、インスリンの分泌量を減らせれば、ホルモン感受性リパーゼの働きを活発な状態で維持できます。

では、インスリンの働きを抑えるには、どうすれば良いでしょうか?

答えはすでに書いてますよね。糖質を食べたらインスリンが分泌されるのですから、糖質を控えることがインスリン分泌を抑える方法です。つまり、糖質制限をするということです。

絶食も糖質制限ですから、ホルモン感受性リパーゼの働きを活発にできます。しかも、オートファジーで肝細胞に蓄積した脂肪も減らすことができます。しかし、生きていくために必要なタンパク質の補給ができなくなるので、長期間の絶食は不可能に近いです。

糖質制限は、タンパク質摂取を制限しません。だから、タンパク質を補給しながら、ホルモン感受性リパーゼの働きを活発にし、中性脂肪を分解しやすい状態を維持できます。

ダイエットのために絶食しようと考えている方は、ちょっと待ってください。

まずは、糖質制限を試して、お腹周りがすっきりするかどうかを確認しましょう。糖質制限でも、思ったように肥満が解消しない場合は、食事量を減らしたり運動量を増やしたり工夫をしましょう。

なお、ホルモン感受性リパーゼについては、以下の記事で説明しています。

参考文献

インスリン分泌を抑制することが長生きに関わっている可能性がある

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人が太る原因の一つが、過剰なインスリン分泌であることは、今や当たり前として知られるようになっています。インスリンは肥満ホルモンとも呼ばれていますから、ダイエットをしたことがある方なら、インスリンという言葉を聞いたことがあるでしょう。

インスリンは、糖質を摂取した時にすい臓からたくさん分泌されます。だから、太りたくなければ、食後のインスリン分泌を減らすために糖質制限をするのが効果的です。

また、インスリン分泌を抑えることは、長生きとも関係しているのではないかとも言われています。肥満は、健康に悪いとよく言われますが、突き詰めていくと、インスリンの過剰分泌が問題と考えられそうです。

過食はオートファジーの働きを抑制する

人の細胞は、飢餓状態になった時、自らの一部を食べて飢餓を乗り切ろうとします。このように細胞が自分の一部を食べることをオートファジーと言います。

オートファジーは、飢餓を乗り切るために働きますが、細胞内のゴミを掃除する働きもしています。もしも、オートファジーがうまく働かなくなると、細胞内にはゴミが蓄積し、細胞死が誘導されると考えられます。細胞の寿命は種類によって様々で、短期間しか生きられないものや神経細胞のように長期間働き続ける細胞もあります。

短期間しか生きられない細胞は、オートファジーが働かなくても、人の生存に大した影響を与えませんが、神経細胞のように長期間働き続ける細胞の場合、オートファジーの作用不全は、生存にとって悪い影響を与えます。

だから、オートファジーによる細胞内浄化は、非常に重要な作用と言えます。

水谷昇先生の著書『細胞が自分を食べるオートファジーの謎』によれば、オートファジーは、飢餓状態になった時に活性化しますが、それは一時的飢餓や軽度の飢餓でも働くそうです。だから、細胞内のゴミを掃除するためには、過食を避けることが大切と考えられます。

インスリン分泌を抑制することでオートファジーは活性化する

線虫、ショウジョウバエ、マウスなどの実験で、少食が長生きに関係しているのではないかと言われるようになりました。カロリーを抑えた食事をさせると、寿命延長効果が確認されたという話はよく知られています。

60%程度のカロリーに抑えるだけでも、オートファジーが誘導され、線虫やマウスの寿命延長効果があると実験で確認されていることから、過食は健康を害すると言えそうです。

ところが、線虫の研究では、カロリー制限をしなくても、インスリンの信号伝達系に欠陥がある変異体は普通に餌を食べていても長生きしたそうです。インスリン分泌は、オートファジーの働きを抑制する作用があるので、インスリン信号伝達に異常があると、オートファジーが亢進します。

先ほども述べましたが、インスリンは、糖質摂取でたくさん分泌されます。我々人間は、米やパンなど糖質が多く含まれた食品を主食としていますから、全体の食事量を減らすことは、糖質摂取量の減少につながります。そうすると、食事制限で糖質摂取量が減少すればインスリン分泌量も減るので、オートファジーの働きが活性化されると考えられそうです。

カロリー制限による寿命延長効果にオートファジーが100%関係しているとは言い切れないものの、オートファジーが寿命の延長に部分的に貢献している可能性はあるようです。

たとえば、インスリンシグナルに変異をもつ線虫は長寿命となるが、同時にオートファジー遺伝子に変異をもつと寿命延長効果は打ち消される。同様に、カロリー制限による寿命延長効果にもオートファジー遺伝子が必要であるという報告もある。これらの研究成果は、オートファジーを活性化することがカロリー制限による寿命延長効果のひとつのメカニズムであることを示唆している。しかし、オートファジーを抑制することそのものに寿命を短縮する作用がありうるので、完全な答えを得るにはまだ検討が必要であると思われる。(208ページ)

どこまで研究が進んでいるのか知りませんが、オートファジーが寿命の延長に関わっている可能性は高そうです。

ダイエットで食事量を減らそうとするのなら、全体の食事量を満遍なく減らしたり、脂質を優先的に減らすよりも、インスリンの分泌量を増やす糖質摂取量を優先的に減らす方が、長生きには効果がありそうです。もちろん、インスリンは肥満ホルモンなので、その他の食事制限よりも、糖質制限の方が高いダイエット効果を得られることは言うまでもありません。

参考文献

糖質制限を始める前に誰かの指導を受けるべきか

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最近では、低糖質食品が普及し、糖質摂取量を減らす人が増えてきています。

体に脂肪がつく原因は、糖質の過剰摂取ですから、ダイエットをするなら糖質摂取量を控えることが最も効果的です。また、肥満は様々な生活習慣病の原因となりますから、健康のために瘦せたい方も、糖質摂取量を減らすべきです。

ただ、糖質摂取量を減らそうと思っても、自分で勝手に糖質制限を始めて良いものかどうか迷う人がいると思います。でも、糖質制限をする前に専門家の指導を受ける必要は基本的にありません

糖質制限こそが当たり前の食事

これまでの多くの人の食生活は、炭水化物(糖質)の摂取量が、タンパク質と脂質の摂取量合計と比較して1.5倍から2倍ほどあるのが当たり前でした。

でも、こんな食事をしている哺乳類は、人間や人間に飼育された動物くらいのものです。哺乳類は基本的に肉食であり、糖質をたくさん食べるような食事をする方がおかしなことなんですね。草食動物の牛ですらタンパク質中心の食事をしているのですから、雑食とされている人間が、大量に糖質を摂取する理由はありません。

本来、人間の食事は、糖質制限が当たり前だったのですから、糖質制限を始めることは、人間本来の食事に戻す行為でしかありません。だから、糖質制限を始めるのに誰かの指導を受ける必要はないんですね。

ところが、ネットの記事を見ていると、「糖質制限をする前に専門家の指導を受けましょう」と書かれていることが多いです。これは、健康に関する記事の決まり文句だと思って構いません。自己判断で、何かを始める前に誰かに相談した方が無難だと言いたいのでしょう。

糖質摂取こそ専門家の指導を受けるべき

反対に糖質を摂取する場合には、専門家の指導を受けなくても良いのでしょうか?

そんなこと誰も考えたことがないと思います。でも、糖質を摂取し続ければ、体に脂肪が蓄積されて肥満となり、生活習慣病になってしまう危険があるのですから、本来は、糖質を摂取する前に専門家に相談すべきです。糖質を摂取し続ければ、やがて、血糖値が下がりにくくなり、糖尿病になってしまうかもしれませんからね。

しかし、糖質摂取が当たり前となっている現代社会では、糖質摂取に関して専門家の指導を受けることは、まずありません。

そもそも、生まれた時から糖質三昧の食事をしてきていますから、糖質摂取のために専門家の指導を受けるという発想自体が起こらないものです。本来なら、「あなたが1日に摂取できる糖質量は、100グラムまでです」といった指導があるのが当たり前だと思うのですが。

血糖値を下げる薬を飲んでいる人は医師に相談

基本的に糖質制限を始める前に誰かに相談する必要はありませんが、糖尿病で血糖値を下げる薬を服用している方は、医師の指導を受けなければなりません。

糖質制限を始めれば、自然と血糖値が下がっていきます。それなのに血糖値を下げる薬まで飲むと、血糖値を下げすぎ低血糖になってしまいます。

だから、糖尿病の方で、血糖値を下げる薬を服用している方は、必ず医師の指導を受けてください

ただ、お医者さんなら誰でも良いわけではなく、糖質制限に詳しいお医者さんでなければなりません。糖質制限のことをよく知らない先生だと、糖質制限自体を否定し、これまで通りに薬を服用するように指導されて終わる可能性が高いです。

糖尿病の方が、糖質制限を始める場合は、糖質制限に詳しいお医者さんに相談しましょう。

 

健康に問題がない方は、糖質制限を始める前に誰かに相談する必要はありません。不安なら、糖質制限をしている知人に相談すると良いでしょう。また、周囲に糖質制限をしている人がいない場合は、江部康二先生の著書を読みましょう。誰にでもわかりやすく書かれているので、読むのが苦痛に感じることはないはずです。

参考文献

インスリンレベルを下げることで新型コロナウィルスの重症化を予防できる可能性がある

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先日、江部康二先生のブログに興味深いことが紹介されていました。

 

この記事では、インスリンレベルが高いと新型コロナウィルスに感染したときに重症化しやすくなると書かれています。それなら、インスリンを不必要に分泌させない生活をしていれば、新型コロナウィルスに感染しても、重症化せずに乗り切ることができそうです。

インスリンレベルを簡単に下げる方法は糖質制限

江部先生のブログでも述べられていますが、インスリンレベルを簡単に下げるには糖質制限が有効です。

インスリンは、糖質やタンパク質を食べると、すい臓のβ細胞から追加分泌されます。特に糖質を摂取したときに多くのインスリンが分泌されますから、無駄にインスリンを分泌させないようにするには、普段から糖質を控える食事をしなければなりません。

糖質は、米、小麦、果物、砂糖、イモ類に多く含まれています。これらの食品をできるだけ食べないようにすれば、血糖値が上がりませんから、インスリンレベルが上がることはありません。ただ、ストレスでも、血糖値は上がりますから、糖質を控えるだけでなく、自分に合ったストレス解消法を身に着けることも大切です。

とりあえず、簡単にインスリンレベルを下げる方法としては、糖質制限が最強です。

ウィルスはオートファジーでもやっつけられる

インスリンレベルが高いとオートファジーの働きが抑制されることも、ウィルスとの戦いに不利となります。

オートファジーは、細胞が、自らの細胞内の小器官を食べて飢餓から身を守る機能です。このオートファジーは、他にも細菌やウィルスに細胞が感染した場合に活躍します。

細胞が細菌やウィルスといった病原体に感染すると、T細胞が細胞ごと病原体を破壊します。これを細胞性免疫といいます。さらに細胞に感染した病原体は、オートファジーによっても分解されることがわかってきています。ただ、ウィルス感染については、ウィルスの分解と増殖の両方に役立っているようですから、オートファジーが逆にウィルスの増殖を助けてしまう可能性もあります。

さて、オートファジーは、以前にも紹介したようにインスリンが分泌されると働きが抑制されます。

 

先ほどの江部先生の記事では、インスリンレベルが高いと新型コロナウィルスが細胞に感染しやすくなると紹介されていましたが、インスリンレベルが高いことは、オートファジーが抑制され病原体が分解されにくくもなりますから、どちらの意味でもインスリンの無駄な分泌は感染症に対して不利になると言えそうです。

肥満の人ほど、新型コロナウィルスに感染すると重症化しやすいと言われていますが、その背景には高インスリン血症があると考えられそうです。

生活習慣病の予防だけでなく、感染症予防にも、糖質の過剰摂取はやめた方が良いですね。

参考文献

糖質制限を継続する秘訣

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糖質制限は、高いダイエット効果があることから、最近では、多くの人に支持されるようになっています。

ただ、長く続けられない人もおり、短期的に糖質制限で瘦せたら、また糖質を食べ、そして、太ってきたら糖質制限をするを繰り返す方もいらっしゃるでしょう。中には、思ったほど糖質制限で瘦せなかったという人もいるはずです。そして、気づいたら糖質制限をやめていたと。

糖質制限を継続する秘訣は、早い段階で、その効果に気づくかどうかにかかっていると思います。私は、糖質制限を始めて1週間もしないうちにわき腹のぜい肉が減っていったのに気付き、これは本物だと実感しました。この実感こそが、糖質制限継続のカギだったと思います。

いきなり厳しい糖質制限をやってみる

糖質制限の効果を実感する手っ取り早い方法は、厳しい糖質制限から始めることです。

京都高雄病院の江部康二先生は、1食20グラム未満、1日60グラム未満のスーパー糖質制限を提唱されていますが、これくらい厳しい糖質制限であれば、1週間程度で効果を実感できるはずです。

スーパー糖質制限だと、米、小麦、麵類などは、一切食べられなくなります。だから、スーパー糖質制限は、なかなか始めにくいのですが、ダイエット効果が目に見えてわかるので、継続しようと思うようになります。

私は、糖質制限を始めたときは、ご飯の量を半分にする程度でした。でも、これでは効果があるのかないのか、さっぱりわからなかったので、スーパー糖質制限をやってみました。これが正解で、長い間、取れなかったわき腹のぜい肉がいとも簡単に消えてしまいました。

すでに糖質制限を8年以上続けていますが、最初に効果を実感できたので、やめようという気はありません。

糖質を食べればリバウンドする

糖質制限ダイエットは、リバウンドしやすいなんて言われることがありますが、糖質摂取が脂肪の蓄積の原因なのですから、糖質制限をやめればリバウンドするのは当たり前です。

だから、スーパー糖質制限で理想通りの痩せ方をしたとしても、その後に毎食、米やパンを食べる食生活に戻れば、必ず脂肪が蓄積していきます。

理想通りの体型になったのなら、その後も、糖質制限を継続しましょう。

糖質制限の効果を実感した人なら、糖質制限の継続は苦にならないと思います。緩やかな糖質制限で、ゆっくりと瘦せていった人の方が、この食事をいつまで続ければよいのかと疑心暗鬼になるのではないでしょうか。

まずは、1週間、スーパー糖質制限を試すことが、糖質制限を継続する秘訣です。

1週間の糖質制限が辛いと感じた方は、別のダイエット方法に切り替えましょう。

でも、糖質制限以上の効果を得られるダイエット法は、なかなか見つかりませんよ。

糖質制限は朝食からが始めやすい

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太る原因は様々言われていますが、多くの場合、糖質の過剰摂取が肥満の原因になっているはずです。いまだに糖質を食べても太らないと言っている人は、生化学を全く勉強したことがない人か糖質中毒者くらいのものですね。

わかっちゃいるけど、糖質の摂取量をなかなか減らせないという方は、まず朝食から糖質制限を始めるのがおすすめです。

トーストをゆで卵、ハム、ベーコン、チーズに置き換え

朝からたくさん食べる人は少数派だと思います。

きっと多くの方は、朝はトーストに紅茶かコーヒーなどの飲み物で済ませているのではないでしょうか?

朝食は、食事量が少なくなりやすい傾向から、炭水化物(糖質)が多く含まれている食品を低糖質の食品に置き換えるのが楽なんですね。例えば、トーストを1枚だけ食べている人だったら、それをハムやベーコンに代えれば良いだけです。ゆで卵やチーズでも構いません。

それだけでは物足りない場合は、飲み物を豆乳やプロテインに置き換えれば満足できると思います。

糖質制限を試してみたいけど、糖質を減らすのは難しいと感じている方は、朝食から糖質制限を始めてみましょう。3食のうち1食でも糖質制限食にするだけで、ダイエット効果を実感できるはずです。理想は3食すべて糖質制限食ですが、無理して続けられないのなら、朝食のみの糖質制限にしておきましょう。

一方で、糖質制限が難しいのは昼食です。多くの人は、お店でランチを食べていると思いますが、まだ糖質制限に力を入れたお店が少ない状況ですから、どうしても昼食は糖質を摂取せざるを得ません。1食くらいの糖質摂取は仕方がないと割り切るのもありです。

また、夕食を自宅で食べている方は、糖質量を減らしやすいですね。朝食以外でも糖質制限を試してみたい方は、夕食も糖質制限食にしてみましょう。夕食も外食の場合は、糖質制限食にするのは難しいですね。

朝食で糖質を食べないと脳が働かないはウソ

朝食を糖質制限食にすると、脳にブドウ糖が供給されなくなるからダメと言われることがあります。

これ、嘘ですよ。

寝ている間は食事をしないので、体内のブドウ糖がどんどん減っていき、脳に十分なブドウ糖が供給されなくなると言いたいのでしょうが、そんなことはありません。

寝ている間には、成長ホルモンが分泌されます。成長ホルモンは、成長期によく分泌されますが、年齢を重ねても分泌されます。そして、寝ている間に分泌された成長ホルモンは、血糖値を上げる働きをするので、脳へのブドウ糖供給が減って低血糖になることはありません。

また、朝方には、糖質コルチコイド(コルチゾール)というホルモンも分泌されます。こちらも、血糖値を上げる働きがあるので、起床時に低血糖になることはありません。

 

糖質制限批判者は、何かよくわからない理屈で糖質制限はダメだと言ってきます。その理屈が本当なのかと生物学の本を読んで調べても、彼らの言っていることなどどこにも書いていません。むしろ、生物学の本を読めば読むほど、肥満の原因が糖質摂取にあることがわかってきます。

とりあえず、ダイエットのために糖質制限を始めたいと思っている方は、朝食から始めましょう。トーストをハム、ベーコン、ゆで卵、チーズに置き換えるだけですから、それほど難しくはありませんよ。


糖質制限中に否定的な意見を聞いても無視する

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健康目的やダイエット目的で糖質制限を開始すると、周囲から否定的な意見を聞くことがあります。

早死にするとか。逆に太るとか。

いろいろ糖質制限を批判する人はいますが、まともな根拠を示せている人は皆無です。糖質を食べないと筋肉が減り続けるなんてバカなことをいう人もいますが、糖質制限を続けて足腰が立たなくなったなんて報告を聞いたことはありません。私は8年以上糖質制限を続けていますが、問題なく歩けていますし走ることもできます。

やりもせず糖質制限を否定する意見は、全てウソと考えて構いません。

糖質の必要量は存在しない

糖質制限に対する否定的な意見に惑わされないようにするためには、まず、人間が食べなければならない糖質量は存在しないという事実を知ることです。厚生労働省だって、そう言っています。

 

しかし、日本人は、摂取カロリーの60%を糖質から摂取しなければならないとの噂がまことしやかに流れています。この噂も、厚生労働省から出ており、上記内容と矛盾しているのですが。ただ、厚生労働省は、人間は、糖新生によって血糖を作り出せることを示していますから、糖質摂取の必要量は存在しないとの見解が主のように読み取れます。

でも、脂質ばかりを食べていると、健康に悪い影響を与えるとの報告が多いので、摂取カロリーの多くを脂質でとるのはやめましょうとし、代わりに健康への悪い影響の報告が少ない糖質からカロリーを摂取しましょうとしているわけです。つまり、糖質は必要ではないけども、脂質を多く食べるよりも健康的だから糖質を食べましょうと言っているにすぎないのです。

ところが、最近では、糖質摂取が肥満の原因であることが明らかになっており、健康への悪影響も指摘されていますから、厚生労働省も、いつまでも摂取カロリーの60%を糖質にしましょうと言い続けるとは考えられません。

いずれは、糖質摂取量ではなく、糖質摂取許容量と表現されるようになるかもしれませんね。

三大栄養素の語源を知らない医師や栄養士は多い

また、糖質は、脂質とタンパク質に並び三大栄養素と言われていることを理由に糖質制限を否定するお医者さんや栄養士さんもいます。

しかし、この説も完全な誤りです。

三大栄養素は、人体に最も重要な3つの栄養素という意味で名づけられたのではありません。人間が食べている食品の中に糖質、脂質、タンパク質が多く含まれているから、これらを三大栄養素と名付けたに過ぎないのです。

 

この事実を知っていれば、「糖質は三大栄養素だから必ず食べなければなりません」という人の言葉を無視できるはずです。

シミズ先生が、以下の記事で興味深いことを述べられていました。

 

お医者さんは栄養学に詳しいと思ってしまいますが、栄養学の教育を受けてはいません。だから、私のような医療とは関係のない業界の人間とお医者さんは、栄養に関する知識は同程度といえます。もちろん、自主的に栄養学の勉強をしているお医者さんは栄養の知識を持っているでしょうが、それは、医療とは関係のない人にも言えることです。

そうすると、食習慣が原因で何らかの病気にかかった場合、食習慣の改善方法をお医者さんに相談しても正しい情報を得られない可能性が高そうです。生活習慣病の予防は、独学で勉強するしかなさそうですね。よくわからない理由で糖質制限を否定するお医者さんがいることも納得できます。

 

糖質制限に否定的な意見を聞いて迷いが生じる人は、生化学の本を読むことをおすすめします。生化学の本を読めば、体の中でどのようにしてエネルギーが作られ、なぜ脂肪が蓄積するのか、その仕組みがわかります。この仕組みを知ってしまえば、糖質制限批判者の言葉に惑わされることはないでしょう。

初学者におすすめの生化学の本は、大平万里先生の「代謝」がわかれば身体がわかるです。この本を読めば、エネルギーを作り出す仕組みと脂肪が蓄積する仕組みは理解できます。この本が難しいと思う場合は、栄養学の本を読んでください。栄養学だと、カラー図解 栄養学の基本がわかる事典がおすすめです。こちらにも、エネルギーが作られる仕組みが解説されています。

栄養学の本を1冊読むだけで、お医者さんよりも栄養について詳しくなれるのですから、お医者さんに質問するよりも生活習慣病を予防しやすくなるはずです。

糖質制限をして大丈夫なのか不安な方も、栄養学と生化学の本を読んでおきましょう。

紳士用のジャージはメタボ仕様ばかり

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先日、室内で履くためにジャージの下だけをスーパーで買いました。

私は、身長が177cmなので、Lサイズで丈がちょうど良く、サイズがLと書いてあるジャージを買って帰りました。ところが、履いてみるとウェストがダボダボで、すぐにずれてしまいます。試着せずに買ったのがダメでしたね。

いったい、ウェストはどれくらいなのかタグを確認したのですが、Lとしか書かれていません。そこで、メジャーで計測したところ、胴回りが90cmもありました。ウェストが73cm程度の私にはダボダボなはずです。

もはやメタボ体型が標準の時代

さすがにLサイズで胴回りが90cmのジャージは、日本人男性には太すぎるだろうと思いましたが、他のスーパーでジャージを確認したところ、Lサイズは、胴回りが90cm前後になっているものばかりでした。

男性は、腹囲が85cm以上でメタボとされていますから、Lサイズのジャージは、メタボ男性を想定して作っているのかもしれません。これからは、Mサイズのジャージを買う必要がありますね。丈が短いかもしれませんが。

ただ、スーパーで売られているジャージが、中高年を想定したサイズなだけかもしれません。そこで、Amazonを覘いてみると、Lサイズのジャージは、胴回りが、73cmや79cmとなっていました。84cm~94cmのジャージもありましたが、Lサイズの主流は、胴回りが80cm未満のようです。

 

どうやら、運動している人が履くジャージと中高年の男性が履くジャージは、同じLサイズでも胴回りが異なるみたいですね。スーパーだと、運動していない中高年の男性をターゲットにしているから、ダボダボなのでしょう。

もはや、男性は30歳を過ぎるとメタボが標準体型と思われているみたいです。

米とパンの食べ過ぎ

中年男性がメタボになる理由は、運動不足と言われることが多いですが、実際は米やパンの食べ過ぎです。

炭水化物(糖質)が多く含まれている食品ほど、食べれば体に脂肪として蓄積されやすくなります。確かに30代以上になると、運動量が減ってくる人が多く、それも太る要因ではありますが、体内での化学反応を考えると、糖質の過剰摂取こそが肥満の原因です。

脂質を食べると、脂肪が蓄積するという単純なものではないんですね。

糖質を摂取して、インスリンが分泌されると、ブドウ糖が骨格筋や脂肪組織に取り込まれていきます。脂肪組織に取り込まれたブドウ糖は中性脂肪として蓄えられていきますから、糖質を食べれば食べるほど脂肪組織が肥大していきます。これが肥満の大きな原因なのですが、米やパンの見た目からは、それらが脂肪の蓄積の原因だとは想像しにくいです。

瘦せるために運動をして食事量を減らすんだと言っているうちは、体に蓄えた脂肪を減らすのは難しいです。糖質や脂質が、体の中でどうなるのかを理解してから、運動をするなり、食事量を減らすなりすべきです。

 

ダイエットしたいけど、何が何だかわからないという方は、米やパンを控える糖質制限から始めましょう。

糖質制限はまずやってみることが肝心。正しいやり方とかどうでも良い。

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最近では、糖質制限がダイエット法として定着しています。

もともとは糖尿病の方の治療食だったのですが、体脂肪が減ることも確認されたことから、ダイエットに有効だとされ、今では「痩せたければ糖質を減らせ」が当たり前となっています。

ただ、まだ否定的な意見もありますし、肯定しているお医者さんなども、専門家に相談して正しい糖質制限をしなければならないと言うことがあります。でも、糖質制限なんて、食べる糖質量を減らすだけですから正しいやり方も何もありません。だから、気になったら、ちょっと試してみるかと軽い気持ちで取り組めば良いです。

体重が減りすぎる場合は食事量が足りていないことを疑う

糖質制限を始めると、開始早々からグングン体重が減っていきます。もちろん、体脂肪率も一緒に低下していきます。

気持ち良いほど、体重も体脂肪も減っていきますから、糖質制限を体験した多くの人が、これは本物だと実感するはずです。ただ、体重の減少があまりに激しすぎる場合は、食事量が足りていない可能性があります。

私も糖質制限を始めたばかりの時は、一気に体重が減りましたが、今思い返すと、当初は食事量が足りていなかったようです。糖質制限を始めたばかりの時は、米やパンを一切食べないにもかかわらず、おかずの量はあまり増やしていませんでした。また、間食もほとんどしていなかったので、糖質制限を開始する前から1日の食事量は、やや少なめだったと思います。

ただ、糖質制限をする前から、体重は標準でも、お腹周りの脂肪は気になっていました。ところが、食事量を減らしても、減ることがないお腹周りの脂肪が、糖質制限を始めると簡単に減ったので、これは本物だと確信しました。その後は、間食をするようになり、体重が少しずつ増加しましたが、お腹周りに脂肪が蓄積することはありません。糖質制限前よりも食事量は増えていますが、体重は糖質制限前よりも軽いです。

糖質制限に正しいやり方なんてありませんが、あまりに体重が減りすぎる場合は食事量が少なすぎる可能性がありますから、食事量を増やすようにしましょう。

糖質摂取量をどれだけ減らすかも自由

糖質は、人体にとって必須の栄養素ではありませんから、まったく食べる必要はありません。

でも、糖質摂取量をゼロにして、その厳しさから糖質制限が長続きしないのなら意味がありません。体に脂肪が蓄積する原因は、糖質摂取ですから、糖質制限をやめれば、すぐにお腹周りに脂肪がつき始めます。

短期間だけ痩せれば良いのなら、糖質ゼロで構いませんが、ずっとお腹周りに脂肪がついていないスタイルを維持したいのなら、自分が長続きできる範囲で糖質制限をするべきです。

京都高雄病院の江部先生は、1日3食すべてで米やパンなどの主食を抜き糖質摂取量を60グラム未満に抑えるスーパー糖質制限だけでなく、1日1食だけ主食を食べるスタンダード糖質制限、1日1食だけ主食を抜くプチ糖質制限と、3段階の糖質制限を提唱しています。

糖尿病の方は、医師と相談の上、スーパー糖質制限をする必要がありますが、健康な人がダイエット目的で糖質制限をする場合は、スタンダード糖質制限やプチ糖質制限でもダイエット効果が出ます。もちろん、理想的なのはスーパー糖質制限ですが、続けられないのなら、スタンダード糖質制限にしましょう。スタンダード糖質制限でも厳しい方は、プチ糖質制限をしばらく続け、徐々に糖質摂取量を減らしてください。

やってみないとわからない

糖質制限は、やってみないことには、ダイエット効果を実感できません。

健康な人は、専門家に相談する必要はなく、我流で糖質制限を始めても問題ありません。せいぜい、空腹を感じないように抜いた主食と同じくらいタンパク質と脂質を食べましょうと言った程度の注意を守れば良いだけです。

糖質制限で栄養不足にならないか心配だという方もいるでしょうが、白米や小麦粉ほど低栄養な食品はありませんから、これらを食べず別の食品に置き換えるだけで、今以上にしっかりと栄養素を補給できるので問題ありません。

 

糖質制限を始めるなら、朝食だけ主食を抜くプチ糖質制限が簡単です。慣れてきたら、夕食も主食を抜き、スタンダード糖質制限をやってみましょう。仕事をしていると、昼食は外食になりやすいですから、スーパー糖質制限に移行するのは難しいですが、たまに休日だけ3食主食抜きのスーパー糖質制限を試してみると良いでしょう。

参考文献

眼の健康のためにも糖質制限は欠かせない

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私は、視力が良く裸眼で生活しています。

このままずっと裸眼でいられたら良いのですが、年を取れば、視力が悪くなってくるでしょうね。それでも、米、パン、麺類など、炭水化物(糖質)が多く含まれている食品を食べるのを控える糖質制限をしているので、まだ当分は眼の健康を維持できると思います。

適切な血糖コントロールが目の健康には大事

糖質制限と眼の健康が、どう関係があるのか疑問を持つ方もいるでしょう。

先日、眼科外科医の深作秀春先生の著書『視力を失わない生き方』を読んだのですが、糖質をたくさん食べる生活が眼に負担になることがわかりました。

糖質を食べると、血中のブドウ糖濃度が高くなります。血糖値が上がると表現されることが多いですね。血糖値が上がると、すい臓のβ細胞からインスリン(インシュリン)が分泌され、血糖が骨格筋や脂肪組織に吸収されます。身体に脂肪が溜まっていくのは、糖質摂取によりインスリンが分泌され、血糖が中性脂肪に変えられて脂肪組織に押し込まれるからなんですね。

上がった血糖値が下がりにくくなる病気を糖尿病といいます。糖尿病は、糖質摂取を続けた結果、β細胞が壊れインスリンの分泌が悪くなったり、脂肪組織にこれ以上血糖を取り込めなくなってインスリンの効きが悪くなることで起こります。

糖尿病になると様々な合併症を併発しますが、眼では糖尿病性網膜症を発症する場合があります。糖尿病性網膜症がどういったものなのか『視力を失わない生き方』で解説されているので紹介します。

糖尿病の人は網膜の微小血管が詰まり、破けて眼底出血します。出血による酸素不足を補うためや組織修復のために、血管新生因子が出て新生血管が生えてきますが、これがまた、もろくて破けやすいのです。そして、眼底出血や硝子体出血を繰り返し、さらに進行すると、出血での炎症反応から眼球内に繊維組織の増殖が進み、最終的にはこの増殖膜の牽引で、網膜が破けたり剝がれたりして、網膜剥離で失明します。(253ページ)

網膜剝離と聞くと、ボクサーが発症する眼の病気と思ってしまいますが、糖尿病の人も症状が悪化すると発症します。だから、失明しないためには、糖尿病にならないように予防すること、糖尿病と診断された場合には、適切な血糖コントロールを行うことが大切です。

適切な血糖コントロール=糖質制限

適切な血糖コントロールは、内科で血糖値を下げる薬をもらったり、インスリン注射で上がった血糖値を下げることと思いがちですが、このような方法では、糖尿病性網膜症を悪化させてしまいます。

深作先生は、眼科で網膜症が見つかり、血液検査をして糖尿病と分かった後に患者を内科に送ると、糖尿病性網膜症がかえって悪化することが多いとおっしゃっています。その理由は、薬やインスリン注射を使って血糖値を急激に下げるからです。

血糖を急激に下げるという変化や、インシュリンそのものが、網膜の血管を破いて出血させるのです。この出血によって炎症反応が起き、増殖膜が張ります。増殖膜が張ると、網膜を引っ張って、網膜剥離となり失明するのです。
つまり、血糖を上げたあとでインシュリンで急に下げるような、過激な血糖コントロールを避ける必要があります。(258~259ページ)

そもそも、血糖を上げたり下げたりすること自体をできるだけ避けなければ、糖尿病性網膜症が悪化します。だから、眼科的にも、糖質制限食が理にかなった糖尿病治療だということです。

もしも、糖尿病性網膜症や白内障になっても、腕の良い眼科外科医に治療してもらえば視力が回復するので諦めてはいけません。でも、せっかく手術で視力を取り戻しても、糖質摂取を続けていれば、また眼の健康が害されますから、糖質制限は続ける必要があります。

糖質制限は、そんなに難しいことではありません。米、パン、麺類などの糖質が多く含まれている食品から、肉類、魚介類、卵など糖質がほとんど含まれていない食品に置き換えるだけです。

眼の健康を維持するためにも、早期に糖質制限を始めましょう。

参考文献

糖尿病性網膜症と診断されたら糖質制限を始める

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糖尿病になった場合、様々な合併症を併発します。

その中には、糖尿病性網膜症もあり、進行すると網膜剥離になって失明します。

糖尿病は発症すると治りません。糖尿病にならないためには、日ごろから米、パン、麺類、砂糖、果物、根菜類など、糖質が多く含まれている食品を控える食事を心がけるのが大切です。だから、カロリー制限や運動よりも、まず糖質制限から優先的に始めましょう

もしも、糖尿病に気づかず、いつの間にか糖尿病性網膜症になっていたとしても、諦めてはいけません。

糖質制限で糖尿病性網膜症が治る

眼科外科医の深作秀春先生の著書『視力を失わない生き方』で、糖尿病性網膜症に糖質制限食が有効だと述べられています。

この効果は劇的でした。いくら硝子体手術で網膜症を救っても、大量の糖質とインシュリンの治療では、早晩、血管が破けるのです。しかし、糖質制限で血糖変動を少なくして、我々が開発した近代的な小切開硝子体手術を施行することによって、増殖性糖尿病性網膜症や糖尿病性網膜症による重症の網膜剥離も完全に治せるようになりました。(299ページ)

糖尿病性網膜症は、以前から手術で治療できたようです。しかし、高糖質食と大量のインスリン(インシュリン)で、血糖値を乱高下させていると、せっかく治った糖尿病性網膜症を悪化させてしまいます。

糖尿病性網膜症と診断されたら治療を開始しなければなりません。それと同時に糖質制限も開始しなければ、せっかくの治療の効果も台無しになります。

眼科で糖尿病が発覚することもある

毎年受けている定期健診で糖尿病が発覚することもありますが、定期健診では糖尿病がわからない場合もあります。

定期健診の場合、空腹時の血糖値を測定し、基準値を超えていないかどうかを確認します。でも、糖尿病の人でも、空腹時の血糖値は正常となることもあるので、定期健診だけでは糖尿病かどうかを確実に見分けることはできません。

だから、眼の調子が悪くなってから眼科を受診し、糖尿病性網膜症が発見され、糖尿病が判明することもあります。糖尿病は自覚症状なく進行しますから、このような事例は稀ではありません。

眼科で糖尿病が発覚した後は、内科で糖尿病の治療をすることになりますが、必ず糖質制限に理解のある内科を受診することが大切です。糖質制限に否定的なお医者さんだと、高糖質食を指導し、上がった血糖値を薬やインスリンで下げようとします。これだと血糖値の乱高下が起こるので、糖尿病性網膜症が悪化します。

糖尿病は治らない病気ですが、糖質制限で合併症を予防できます。糖尿病性網膜症も治療と糖質制限で治ります。

糖尿病の悪化を防ぐためにも、糖尿病の予防のためにも、糖質制限はできるだけ早く始めた方が良いです。

参考文献

舌の上に付くあの白いもの(舌苔)がなくなったのは糖質制限のおかげじゃないか

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先日、家族が舌を掃除するブラシを買ってきました。

誰もが、舌の上が白いもので覆われた経験を持っていると思います。あの白いものを掃除するためのブラシです。ちなみにあの白いものは舌苔(ぜったい)というそうです。歯に付く歯垢(プラーク)と見た目が同じなので、舌苔もプラークなのかなと思っていたら、どうやらその通りのようです。

で、私の舌なのですが、舌苔がほとんどないんですよ。以前は舌が白いのは当たり前だと思っていましたが、今は薄っすらと白く見える程度で、全体的に唇と同じような色をしています。

舌苔は細菌の塊

こちらが私の舌の写真です。

舌

薄く白色が見えますが、ほとんど赤色と言っても良いでしょう。もう、何年もこの状態で、プラークが舌の上にこびりついているのを見たのは、いつのことか忘れました。10年以上前までは白くなっていたと思います。

下のウェブサイトによると、舌苔は、「古くなって剥がれた口腔内の粘膜や細菌、食べカスや汚れなど」とのことです。

 

そして、舌苔の原因は以下のことが考えられているようです。

  • 歯磨きなどの口腔ケアが不十分
  • 口呼吸の定着
  • 唾液分泌量の低下
  • 舌の筋力や運動機能の低下

他にも調べていると、抗生物質の影響もあるそうです。

私の場合、以前、舌が白くなっていたのは上記のいずれかが原因だったのでしょうか?

歯磨きは丁寧にするようになりましたが、他の項目は、はっきりとはわかりません。

糖質制限を始めてから舌が白くならなくなったと思う

私が、舌が白くならなくなったのに気づいたのは、糖質制限を開始してからのことです。糖質制限は、もう9年近く続けています。

歯に溜まるプラークは、細菌の塊です。口の中の細菌が、糖質をエサにして増殖した結果、できあがったのがプラークです。だから、糖質制限をすれば、プラークができにくくなる理屈です。私の場合、歯にプラークは溜まりますが、糖質制限前と比較すると溜まりにくくなっています。

舌苔が細菌の塊であれば、糖質制限をすれば、理屈としてできにくくなるはずです。

私以外に糖質制限をされている方の舌の状態はどうなっているのでしょうか。私と同じように舌苔ができていないのでしょうか。

舌苔は、口臭の原因とも言われています。私は、以前は朝起きた時に口の臭いが気になっていたのですが、今はほとんど気にならなくなりました。これも糖質制限の影響が考えられますが、口臭が軽減した理由は歯磨き粉を使わなくなったからだと思っています。

 

舌苔と口臭の関係については、否定的な考え方もあるそうで、以下のウェブサイトで紹介されています。

 

上の記事では、舌苔に付着する細菌の量と口臭が関係していると述べられています。口臭を減らすには、口の中の細菌の量を減らすことが大切なのでしょう。こちらの見解でも、細菌のエサになる糖質を控えた方が良いと考えられますね。

あと、これも私の経験ですが、糖質制限を始め、歯磨き粉も使わなくなったら、口内炎が滅多にできなくなりました。

 

口内炎も細菌感染でできるので、細菌にエサを与えない糖質制限は理にかなっていると思います。これも、他に糖質制限をしている方の経験が知りたいところです。

太っている人ほど糖尿病になりやすい傾向から肥満は糖尿病の原因と言われるようになっただけ

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世界的に糖尿病人口は増加傾向にあります。日本国内でも、2千万人が糖尿病か糖尿病予備軍とされていますから、日本人6人に1人が糖尿病か糖尿病予備軍になります。

なんで、こんなにたくさんの人が糖尿病になるののでしょうか。きっと、多くの人は生活習慣に問題があるから。具体的には暴飲暴食をして運動もせず肥満になるからと答えると思います。確かに食生活の乱れが糖尿病になる危険性を高めます。

でも、太っていなくても糖尿病になる人はいます。太っていない人は、普通に考えると食生活が乱れていないでしょう。それなのに糖尿病になるのですから、必ずしも肥満が糖尿病の原因とは言えません。

高カロリー食が血糖値を高めるという思い込み

太っている人ほど糖尿病になる傾向はあります。

だから、昔の人は肥満が糖尿病を惹き起こすと考えたのでしょう。『アルツハイマー病は「脳の糖尿病」』という書籍に興味深い実験が紹介されています。

高カロリー食が糖尿病発症の引き金になることは、従来からよく知られています。アメリカのテンプル大学のボーデンらは、健康な男性にピザやハンバーガーを主とする超高カロリー食を一週間食べさせただけで糖尿病予備軍の状態となり、最短二日で高いインスリン抵抗性を示したことを報告しています。(96ページ)

この内容を読むと、高カロリー食が糖尿病の危険性を高めるように思えます。

インスリン抵抗性とは、血糖値が上がった時にすい臓のβ細胞から分泌されるインスリンの効き目が弱くなることです。インスリンは、血糖値を下げる働きをしますが、肥満の人はその効き目が弱くなる傾向にあり、高血糖の状態が長時間持続します。

糖尿病は、高血糖が慢性化している状態です。だから、インスリン抵抗性があると血糖値が高くなり糖尿病と診断されます。そして、インスリン抵抗性を惹き起こすのは、多くの場合、太っている人なので、肥満が糖尿病の原因だと言われるわけですね。

痩せていても高血糖になる

肥満が糖尿病の原因なら、低カロリーな食事を心がけることで糖尿病を予防できるはずです。ところが、肥満ではなくても糖尿病になる人がおり、特に日本では痩せていても糖尿病の人がいます。

全世界的な肥満の増加が、糖尿病の増加と深い関係にあると考えられますが、しかし直接的な要因とも言い切れません。というのも、日本でも肥満者は増加の一途を辿っていますが、その数や程度は欧米に比して非常に少ないものです。にもかかわらず、糖尿病は日本でも激しく増加しているのです。このように糖尿病と肥満とに直接関連があるかについては、不明と言わざるを得ません。(96~97ページ)

この文章は、とても大切なことを述べています。

太っている人は、糖尿病になりやすい傾向にあります。しかし、痩せていても糖尿病になる人もいます。太っていて糖尿病の人は高カロリー食、痩せていて糖尿病の人は低カロリー食でしょうから、糖尿病になるかどうかは、摂取カロリーの高低とは関係ないのではないかという疑問が出てきます。

血糖値を直接上げるのは糖質のみ

人体は、糖質、脂質、タンパク質の三大栄養素からエネルギーを作り出します。だから、三大栄養素を多く含む食事が高カロリー食となります。ちなみに三大栄養素の語源は、糖質、脂質、タンパク質が人体にとって重要だという意味で名づけられたのではありません。

 

高カロリーな食事は、脂質が多く含まれる食事のことです。糖質とタンパク質は、1グラム当たり4kcalの熱量とされていますが、脂質は1グラム当たり9kcalとされています。同じ量であっても、脂質の方が摂取カロリーが2倍になります。だから、高カロリーな食事が糖尿病の原因だと仮定した場合、脂質を控え糖質やタンパク質を食べる方が、摂取カロリーを少なくできて満腹感が得られるので、食べすぎを予防でき、糖尿病になりにくいというわけです。

ところが、高カロリーとされる脂質をどんなに食べても、それ自体が血糖値を上げることはありません。実は、三大栄養素の中で血糖値を上げるのは糖質だけです。

食後に血糖値が上がるのは糖質を食べたからです。タンパク質を食べた場合も血糖値が上がりますが、それはすい臓のα細胞からグルカゴンというホルモンが分泌されて糖新生が起こり、体内でブドウ糖が作られるからです。タンパク質そのものが血糖値を上げているわけではありません。

インスリンは血糖を中性脂肪に変えて蓄える

糖質を摂取して血糖値が上がるとインスリンが分泌されます。インスリンは血糖値を下げますが、では血糖はどこに行くのでしょうか。

血糖の一部は、骨格筋などにグリコーゲンとして蓄えられますが、中性脂肪に変えられて脂肪組織にも蓄えられます。糖質を食べれば食べるほどインスリンが分泌され血糖が中性脂肪に変わっていきますから、糖質の食べ過ぎこそが肥満の原因と言えます。

先の実験では、男性にピザやハンバーガーを食べさせています。ピザもハンバーガーも糖質が多く含まれている小麦粉をたくさん使った食品ですから、これらを食べれば血糖値が上がりインスリンが分泌されます。しかも、高カロリー食ということですから、ハンバーガーを1個ではなく何個も食べたのでしょう。

個人差がありますが、脂肪組織に中性脂肪を蓄えられる量には限界があります。その限界に近づいてくると、インスリンをどんなに分泌しても血糖を脂肪組織に押し込むのが難しくなります。これが、インスリン抵抗性と言われる状態です。

肥満の人はインスリン抵抗性があるから高血糖が持続しやすいのはその通りです。

では、痩せているのに高血糖が持続するのはなぜでしょうか。それは、インスリンの分泌量が減っているからです。頻繁に糖質摂取を繰り返すと、すい臓のβ細胞がインスリンを出しっぱなしになります。このインスリン出しっぱなし状態が続くと、やがてβ細胞は壊れてしまい、インスリンを出すことができなくなります。β細胞は数えられないほどたくさんすい臓にありますが、壊れていく量が増えていけば、次第にすい臓のβ細胞の数が減っていきますから、やがて、血糖値を下げるのに十分な量のインスリンを出せなくなります。この状態をインスリン分泌不全といい、やはり、高血糖が持続する糖尿病と診断されます。

 

肥満が原因のインスリン抵抗性なら、痩せれば血糖値が下がっていきます。

しかし、β細胞が壊れるインスリン分泌不全の場合は、痩せても血糖値が下がるわけではありません。一度壊れたβ細胞は生き返りません。肥満が少ない日本で糖尿病が増えているのは、このインスリン分泌不全になる人が増加していると推測できます。

β細胞に負担をかけないためには、カロリー制限ではなく糖質制限を心がけなければなりません。糖質を食べなければ血糖値が上がりませんから、β細胞も無駄にインスリンを分泌しなくて済みます。

太っているから糖尿病になるという思い込みが、まちがった糖尿病治療を続ける理由なんでしょうね。

参考文献


ダイエット商品の口コミを見る前に知っておく基礎知識

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運動器具でも健康食品でも、ダイエット商品を購入する前に口コミを確認している人は多いと思います。

口コミの数が多く、評価も高ければ、そのダイエット商品の信頼性が高いと判断できますから、口コミの確認は買い物で失敗しないために役立ちます。ただ、ダイエットとなると、基本的な知識がある人の口コミは信用できますが、そうでない人の口コミは商品の信頼性に疑問が出てくることがあります。

だから、ダイエット商品の良さは、口コミだけで判断するのは難しいです。

ダイエット商品を買う人は、まず、人が太る仕組みを知っておきましょう。何も知識がなければ、ハズレの商品をたくさん買う羽目になりますから、無駄な買い物をしないために人が太るのは糖質摂取が大きな原因だという基礎知識を身につけなければなりません。

糖質摂取が中性脂肪蓄積の原因

人が太るとは、体に中性脂肪が溜まっていくことです。

一般的に摂取カロリーが消費カロリーを超えると太るとされています。だから、食事量は少なめにして、運動量を増やすのが太らないために大切だと言われています。

この摂取カロリーと消費カロリーという言葉に何の疑問も感じないことが、ダイエット商品の購入で失敗する原因です。

食品に含まれる糖質、脂質、タンパク質の三大栄養素は、体内でエネルギーを作り出す元となります。このエネルギーの元となる三大栄養素は、カロリーが含まれていると表現されます。

使わなかった三大栄養素に含まれるエネルギーは体に蓄えられるので、三大栄養素を多く摂取し、運動をしなければ太るというのは間違いではありません。でも、太ることを中性脂肪が身体に溜まっていくことと解釈すると、話が変わっていきます。

身体に中性脂肪が溜まっていくのは、脂質の摂りすぎが原因だと考えてしまいますが、そうではありません。中性脂肪が身体に蓄積するのは、米、パン、麺類、果物、砂糖に多く含まれている糖質(炭水化物)を食べることが最大の原因です。

糖質が中性脂肪になる仕組み

米や果物を食べて太るイメージが湧かない人は多いと思います。これまで、太る原因は、カロリーの摂りすぎ、特に脂質の摂りすぎが原因と言われてきましたからね。

糖質を摂取しないでいると、身体に蓄えられた中性脂肪が分解され続けます。分解された中性脂肪の一部は脂肪酸となります。脂肪酸に蓄えられているエネルギーは、細胞で取り出されると、様々な活動で利用され消費されます。

常に中性脂肪が分解され、脂肪酸のエネルギー利用が行われていれば、身体に中性脂肪が蓄積しにくくなります。簡単な理屈ですよね。

しかし、中性脂肪の分解は、糖質摂取でストップします。これが、糖質摂取が太ると言われる理由です。

中性脂肪の分解には、ホルモン感受性リパーゼが働いています。でも、糖質を摂取し、血糖値が上がると、すい臓のβ細胞からインスリンが分泌され、ホルモン感受性リパーゼの働きが抑えられてしまいます。しかも、インスリンは、血糖値を下げるために血中の糖質(ブドウ糖)を脂肪組織に押し込んで中性脂肪に変えてしまいます。

つまり、糖質摂取は、中性脂肪の分解を止めるだけでなく、摂取した糖質までも中性脂肪にしてしまうんですね。だから、糖質摂取はダブルパンチで人を太らせることになるのです。

ホルモン感受性リパーゼについては、以下の記事で解説していますのでご覧になってください。

糖質の吸収を抑えるダイエット商品だけに注目する

身体に中性脂肪を蓄えないようにするためには、糖質の吸収を抑えることがカギになります。

だから、ダイエット商品を選ぶ際には、糖質の吸収をいかにして抑えるのかに注目することが最も重要です。以前に脂肪の吸収を抑えるお茶が流行りましたが、あんなものは中性脂肪の蓄積を抑えるのに大して役に立ちません。

最近では、食品メーカーも、そのことがわかってきているので、脂肪ではなく糖質の吸収を抑える飲み物を販売するようになっていますね。血糖値を下げるお茶などとうたっている商品がそれです。

ダイエット商品を選ぶ際には、糖質の吸収を抑える点に注目しましょう。そして、それらの商品の中から、最も糖質の吸収を抑えることができる商品がどれかを探します。ここで初めて口コミが役に立ちます。

糖質の吸収を抑えるダイエット商品をいろいろ探したけども、どれも口コミがイマイチなら、飲み物や食べ物を口に入れて糖質の吸収を抑えることは無理だと判断できます。

そうすると、糖質の吸収を抑えるダイエット商品に頼っても無駄だと気づきますから、普段の食事から、できるだけ糖質が含まれている食品を省くことが、最も中性脂肪の蓄積を抑えるのに効果的だとわかります。

そう、糖質制限こそが中性脂肪の蓄積を抑え、中性脂肪を減らすことに最も効果的なんですね。

これがわかれば、いかにして糖質制限を長続きさせるかに考え方が変わります。時々甘いものを食べたくなるのなら、低糖質のスイーツを買って食べようという意識になります。間食がやめられない人は、クッキーやプリンではなく、チーズを食べれば糖質はほとんど摂取しません。

 

ダイエット商品の口コミを見る前に知っておかなければならないことは、糖質摂取が中性脂肪が溜まる原因だということです。

そして、ダイエットに役立つ商品を選ぶ際は、いかにして糖質摂取を抑えられるかに注目しましょう。口コミに「この商品を使って甘いものを食べたいと思わなくなりました」とか「糖質が欲しくなる衝動を抑えられるようになりました」などと書かれていれば、試してみても良いですね。

オートファジーを活性化させたいなら糖質制限をする

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先日、テレビをつけていると、オートファジーが紹介されていました。

オートファジーは、細胞内に溜まったゴミを細胞が食べてきれいにする働きのことです。飢餓時には、オートファジーが活発になり、細胞が自らの一部を食べて飢えをしのごうとします。

このオートファジーは、健康に良いとかアンチエイジングに良い働きがあるとされています。テレビが大好きな内容ですね。

オートファジーを活性化させる方法は、飢えることですが、何も食べなければ健康どころか死んでしまいます。だから、オートファジーの活性化は、死と隣り合わせじゃないかと思ってしまいますが、絶食しなくても、糖質制限をすることでオートファジーは活性化します。

インスリン分泌を抑えるのが重要

このブログでは、オートファジーを何度か取り上げています。

そして、以下の記事では、インスリン分泌がオートファジーの働きを抑制することを紹介しました。

 

インスリンの分泌が増えるのは、糖質を摂取した時です。

糖質を摂取すると、血糖値が上がります。血管の中がブドウ糖であふれかえっている状態ですね。この状態から正常な状態まで血糖値を下げる働きをするのがインスリンです。

インスリンは、血中のブドウ糖を骨格筋や脂肪組織に取り込ませます。そして、ブドウ糖は、骨格筋ではグリコーゲンとなって貯蔵され、脂肪組織では中性脂肪となって貯蔵されます。インスリンは、細胞に無理やりブドウ糖を食わし込ませるので、細胞が飢餓状態に陥るのを邪魔しているわけですね。

満腹状態の細胞は、オートファジーが抑制されるのですから、インスリン分泌がオートファジーを邪魔する理屈がよくわかります。

糖質制限をすれば無駄なインスリン分泌はなくなる

インスリンは、糖質とタンパク質を摂取した時に追加分泌されますが、特に糖質摂取時に一気に分泌されます。

だから、インスリン分泌を減らすためには、糖質制限をするしかありません。

健康やアンチエイジングのことを考えるなら、とにかく糖質制限をすることです。

1日3食、米やパンを食べる生活をしていては、インスリン分泌量を減らすことはできません。1日1食は、糖質制限食にすべきですね。慣れてきたら、1日2食を糖質制限食にします。すべての食事を糖質制限食にしても構いません。むしろ、すべての食事を糖質制限食にすることの方が、望ましいです。

 

「オートファジーが、アンチエイジングに関係してるらしいよ」

 

と聞いたことがある方は、糖質制限を始めましょう。

いまだに糖質制限でケトアシドーシスになると言っているお医者さんがいる

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アシドーシスは、体液が酸性に傾き、体に不調が出る状態です。

乳酸やケトン体は酸性なので、これらの血中濃度が高まるとアシドーシスになることがあります。糖質制限をすると、血中のケトン体濃度が高まるのでアシドーシスになると言われていますが、ケトン体濃度が高まるだけではアシドーシスにはなりません。ケトン体濃度が高まり、アシドーシスになる時は高血糖になっています。つまり、ケトン体濃度が高まって起こるケトアシドーシスは、血中のブドウ糖濃度も同時に高まっているわけです。

これをわかっていないお医者さんは、いつまで経っても、糖質制限でケトアシドーシスになると言い続けます。

血中のブドウ糖濃度とケトン体濃度は同時に高くならないのが普通

そもそもの話として、血中のブドウ糖濃度が高い状態、すなわち、高血糖になっている状態ではケトン体濃度が高くなることは通常は起こりません

ケトン体は、肝臓や腎臓で、脂肪酸のβ酸化が進み、アセチルCoA(コーエー)がオキサロ酢酸よりも多くなった時に作られます。

中性脂肪は、グリセロール1個と脂肪酸3個からできていますが、中性脂肪をエネルギー利用する場合は、脂肪酸に分解する必要があります。脂肪酸は、β酸化によりアセチルCoAとなった後、オキサロ酢酸とくっついてクエン酸になります。細胞内のミトコンドリアでは、このクエン酸を酸化してアデノシン三リン酸(ATP)というエネルギーを作り出します。クエン酸が酸化されるとオキサロ酢酸になり、再びアセチルCoAとくっついてクエン酸となって酸化されるという流れが延々と繰り返されます。これをクエン酸回路といいます。

アセチルCoAは、ブドウ糖からも作られます。ブドウ糖は解糖系を経てピルビン酸になり、その後、アセチルCoAとなってオキサロ酢酸とくっつきクエン酸になります。その後の反応は、上記と同じです。

ここで、知っておかないといけないのは、血糖値が高い状況ではブドウ糖からATPが合成される反応が進み、血糖値が低いと脂肪酸からATPが合成される反応が進むということです。つまり、ブドウ糖と脂肪酸の両方からATPが同時に大量に作られるという仕組みにはなっていないのです。

なぜこのような仕組みになっているのかというと、血糖値が上がるとすい臓からインスリンが分泌されホルモン感受性リパーゼの働きが抑制されるからです。

血糖値が低いとホルモン感受性リパーゼの働きが活発になり、中性脂肪の分解が進みます。反対に血糖値が高いとインスリンの作用により、ホルモン感受性リパーゼの働きが抑えられ中性脂肪の分解が進まなくなります。

中性脂肪の分解が進まなければ、脂肪酸から合成されるアセチルCoAの量も減ります。だから、肝臓や腎臓で合成されるケトン体も減るわけですね。

この仕組みを知っていれば、血中のブドウ糖濃度が高い状態とケトン体濃度が高い状態は、同時に起こらないことが理解できます。

糖尿病の場合、高血糖と高ケトンが同時に起こることがある

ところが、糖尿病になると、高血糖と高ケトンが同時に起こることがあります。

先ほど血糖値が上がるとインスリンが分泌されると述べましたが、糖尿病になると、インスリンの分泌量が減ってきます。

インスリン分泌が少なくなると、ホルモン感受性リパーゼの働きを抑えられなくなりますから、中性脂肪の分解が進みケトン体濃度が高くなっていきます。このような状況で糖質を食べると血中のブドウ糖濃度が高いにもかかわらず、インスリンの分泌量が少ないので、ケトン体濃度も高い状態が維持されます。

高血糖と高ケトンが同時に起こらない状況ではケトアシドーシスにはなりません。しかし、糖尿病になって高血糖と高ケトンが同時に起こるとケトアシドーシスになる危険があります。

 

「だから、糖尿病の人は、糖質制限をするな」

 

と言う医師がいるのですが、これはおかしいですよね。

糖尿病になってインスリン分泌が減っている状態では、ホルモン感受性リパーゼの働きが活発になっていますから、血中のケトン体濃度は高くなります。通常なら、糖質を食べてインスリンが分泌されれば、ホルモン感受性リパーゼの働きが抑えられるので、ケトン体合成も抑えられます。しかし、糖尿病の人は、インスリンの分泌が少ないので、糖質を食べても中性脂肪の分解が進み続けます。

インスリンが分泌されない状況で糖質を食べて血糖値を上げたら、高血糖と高ケトンが同時に起こるのは当たり前です。

したがって、糖尿病の人がケトアシドーシスを起こさないようにするには、糖質制限をして血糖値を上げないようにするべきなのです。

 

最近は、糖尿病の人にSGLT2阻害薬という糖尿病薬が処方されるようになっています。この薬は、尿細管からのブドウ糖の再吸収を抑える薬で、糖質制限をしているのと同じような状態を作り出します。だから、SGLT2阻害薬を服用していると、血中のケトン体濃度が高まります。

以前は、ケトン体はケトアシドーシスになるから危険だと言われていましたが、SGLT2阻害薬が開発されて以降は、ケトン体は臓器を保護する良い物質だと言われるようになっています。

もう、ケトン体を悪と考える時代は終わったんですよ。

それにもかかわらず、いまだにケトン体は危険だと言っているお医者さんは、ちょっとどうなんだろうと思いますね。

糖質制限をしたら糖尿病になると言っている人はまだいるの?

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数年前に糖質制限をすると耐糖能が悪化し糖尿病になるという噂が流れました。

もちろん、デマですよ。

彼らが、そのようなデマを流したり、また、デマを信じたりしたのは、単に生理学の基礎知識がなかっただけです。初心者向けの生理学の本に書いてあることなんですけどね。

糖質制限中は糖利用が抑制される

シミズ先生のブログの以下の記事では、糖質過剰摂取をしたグループと糖質制限をしたグループで、ブドウ糖負荷試験(OGTT)を行った実験の結果が紹介されています。

 

OGTT後の血糖値の上昇は、糖質制限をしたグループの方が高くなっており、これだけを見ると、糖尿病のように見えます。しかし、インスリンの分泌量は、糖質過剰摂取をしたグループと大差ありません。したがって、糖質制限をしても、すい臓のβ細胞がインスリンを分泌する能力を失っていないことがわかります。

では、インスリン分泌量に問題ないのに糖質制限をしたグループは、なぜ、血糖値が上がるのでしょうか?

それも、上記記事に書いてありますが、筋肉などの末梢組織は、ブドウ糖と脂肪酸のいずれかを選択してエネルギー利用しているからです。糖質制限をすると、ホルモン感受性リパーゼの働きが活発になり、中性脂肪の分解が進み、血中の遊離脂肪酸濃度が高くなります。

遊離脂肪酸は、各組織に運ばれてエネルギーとして消費されます。糖質制限をして、体に蓄えた中性脂肪が減っていくのは、こういう仕組みになっているからです。

遊離脂肪酸濃度が高い時、血中のブドウ糖濃度は低くなっており、末梢組織では、脂肪酸のエネルギー利用が進みます。普通に考えたら、そうならないと困りますよね?

血糖値が下がっている状況でも、ブドウ糖のエネルギー利用が進めば、低血糖になってしまいます。ブドウ糖でも脂肪酸でも、とちらからでもエネルギーを作れる組織は、ブドウ糖を節約して脂肪酸をエネルギー利用する方が低血糖を避けられるのですから。

糖質制限をしてもβ細胞は委縮しない

筋肉は使わなければ衰えます。

同じことが、インスリンを分泌するすい臓のβ細胞にも言えるのでしょうか?

答えはわかりませんが、糖質制限をしても、すい臓は血糖値を調節するためにインスリンを少量分泌していますから、β細胞が全く働かない状態を作ることはできません。だから、糖質制限をしたら、使わなくなったβ細胞が委縮するというのはウソです。

こういうデマを平気で流す人が世の中にはいて、以前に以下の記事を書いたときには、フェイスブックで、オカルトな方々が騒いでいました。

 

自分の無知をかえりみず、何を言っているんでしょうね。生理学の本から引用した内容を紹介しているのにそれを否定しようとするなんて。そして、こういう人たちは、すぐにデマに引っ掛かります。筋トレしたら糖尿病が治るとか。普通は、そっちを先に疑うでしょうに。

シミズ先生が紹介された実験を見ても、糖質制限をしてβ細胞が委縮したとは見えません。

筋トレ後にブドウ糖を摂取することを推奨している人もいますが、それもやめましょう。筋トレでグリコーゲンが消費されても、筋トレ後に溜まった乳酸がコリ回路を通って、再びグリコーゲンとなり筋肉に貯蔵されるのを待てば良いのです。

 

糖尿病の人がOGTTを受けるのは危険なのですから、糖尿病の人が筋トレ後にブドウ糖を摂取するのも控えるべきでしょう。

朝食を抜いて運動すると老けるらしい

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朝食を毎日とっていますか?

私は、朝は食欲がないのですが、タンパク質を補給するためにハムとチーズを食べています。野菜は気持ち悪くなるので食べません。どうも、寝起きは消化器官の稼働が悪いようです。

朝食を食べようが食べまいが、本人の好きにすれば良いと思うのですが、必ず食べないといけないと主張する人もいます。Women’s Healthの以下の記事でも、朝食を食べずに運動すると老けると書かれています。

 

フルマラソンを走るのなら、直前に食事をした方が良さそうですが、軽いジョギング程度なら運動後に食べたって問題なかろうと思うのですが。

血中の遊離脂肪酸濃度が高いのは中性脂肪が減っている証拠

上の記事を読むと、起床時は中性脂肪の分解が進むとか、アドレナリンが中性脂肪を分解するとか、正しいことが書かれています。

でも、結論で、糖をしっかりとって運動で糖をたくさん使えば代謝が良くなるとなっているのが、何だそれって感じです。

まず、血糖値が高い状態だと、中性脂肪の分解は起こらないことを知っておく必要があります。糖を摂ると血糖値が上がり、すい臓からインスリンが分泌されます。このインスリンが中性脂肪を分解するホルモン感受性リパーゼの働きを抑えてしまうのです。

一方、血糖値が低い状態、つまり、インスリンの分泌量が少ない状態だと、アドレナリン、グルカゴン、コルチゾール、成長ホルモンといったインスリン拮抗ホルモンの働きが活発になり、ホルモン感受性リパーゼの働きが促進されます。ホルモン感受性リパーゼによって分解された中性脂肪は、グリセロールと脂肪酸になり、脂肪酸は血中に放り込まれアルブミンとくっついて遊離脂肪酸となります。

遊離脂肪酸は、血液の中を泳ぎ、各組織に向かいます。そして、細胞が脂肪酸を受け取り、ミトコンドリアでβ酸化を経てアセチルCoAとなり、クエン酸回路が回り、多くのエネルギー(ATP)が作られます。

だから、遊離脂肪酸濃度が高いということは、中性脂肪の分解が進み、細胞で次々と脂肪酸がエネルギー利用されている状態を意味しています。

痩せることを中性脂肪が減ることと捉えれば、中性脂肪の分解が進んでいる起床後、朝食を摂る前のジョギングはダイエットに効果的です。さらに朝食でも、糖質を取らなければ、ホルモン感受性リパーゼの働きが抑制されないので、無駄な中性脂肪の分解が進みます。

遊離脂肪酸が細胞を溶かし老けにつながる?

上の記事で、特に疑問を感じたのが、遊離脂肪酸には界面活性作用があり、細胞を溶かして老けさせるといった内容です。

確かに遊離脂肪酸には、界面活性作用がありますが、余った遊離脂肪酸は、肝臓に運ばれて再びグリセロールとくっつき中性脂肪となりますから、人体に悪影響を与えるとは思えません。ちなみに遊離脂肪酸の詳しい説明については、厚木・森の里ホームズというウェブサイトの以下のページをご覧になってください。

 

中性脂肪の分解が進むと、グリセロールと脂肪酸が増えると先ほど述べました。このうちグリセロールは、肝臓や腎臓での糖新生によってグルコース(ブドウ糖)になります。

ここで疑問に思いませんか?

中性脂肪の分解が進めば進むほど、血中の遊離脂肪酸濃度が高まります。一方で、中性脂肪の分解が進めば、グリセロールもたくさん作られ、糖新生によって多くのブドウ糖が血中に放り込まれます。血中のブドウ糖濃度が高いことを血糖値が高いと表現しているわけですが、血糖値が上がるとどうなりましたか?

そう、すい臓からインスリンが分泌されるんでしたよね。

インスリンが分泌されると、ホルモン感受性リパーゼの働きが抑えられましたよね。ホルモン感受性リパーゼの働きが抑えられれば、中性脂肪の分解が進まなくなりますから、血中の遊離脂肪酸濃度は上がりません。各組織で脂肪酸がエネルギー利用されていますから、徐々に血中の遊離脂肪酸濃度は下がっていきます。

つまり、際限なく遊離脂肪酸濃度が高まる状況は、通常、起こりえないのです。

確かに遊離脂肪酸濃度が高くなりすぎて、細胞を溶かし始めると老けてしまうでしょう。しかし、我々の体の中では、常にインスリンとインスリン拮抗ホルモンが綱引きをしているので、遊離脂肪酸濃度がやたらと高い状態が持続する、あるいは、血糖値がやたらと高い状態が持続するといったことは、通常は起こりません。

したがって、遊離脂肪酸が細胞を溶かし老けさせるといったことも、まず起こらないのです。

糖尿病になると綱引きできなくなる

ところが、この綱引きが崩れる場合があります。それは、糖尿病になった場合です。

糖尿病は、血糖値が高くなって戻らない状態です。インスリンの効き目が悪くなり血糖値が下がらない場合もありますが、1型糖尿病や2型糖尿病が進行した場合は、インスリンの分泌量が極端に減ってしまいます。

インスリンが分泌されない状況では、インスリン拮抗ホルモンばかりが働き、ホルモン感受性リパーゼの働きが促進され、血中の遊離脂肪酸濃度や血糖値が上がっても、正常な状態に下げることができなくなります。

1型糖尿病は、自己免疫によってすい臓のインスリンを分泌するβ細胞が破壊されますが、2型糖尿病の場合も、糖質の過剰摂取を続けているとβ細胞に負担を与え壊してしまいます。

もしも、遊離脂肪酸によって細胞が溶かされるとすれば、それは、糖質過剰摂取がもたらしたインスリン分泌不全が原因でしょう。

冒頭で紹介した記事の結論が、「糖をしっかり摂りましょう」となっているのがおかしいと感じたのは、こういうことです。

老けたくなければ、糖質制限が正解。

参考文献

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