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肉を食べても太らない

先日、あるテレビ番組を見ていると、元フィギュアスケート選手の鈴木明子さんが出演されていました。

その番組で、鈴木明子さんは、拒食症になった経験を語っていました。フィギュアスケートの選手は、体重管理をしなければならないので、食べるものが制限されます。10代の頃の鈴木明子さんは、体重増加を抑えるために肉を控えていたそうです。でも、肉を控える食生活を続けているうちに体が痩せ細ってきて、しばらくの期間、フィギュアスケートの練習をできない状態になったと語っていました。

肉を食べないとエネルギーを生み出せない

鈴木明子さんと同じように肉食は太ると思っている人は多いです。肉には、脂質が多く含まれていますから、食べると脂肪が体に蓄積しやすいと考えているのでしょう。

しかし、肉を食べないと、体の中でアデノシン三リン酸(ATP)と呼ばれるエネルギーを作り出すための栄養素の補給が難しくなります。ATPを作るためには、糖質や脂質の他にビタミンB群や鉄が必要です。

肉、特に赤身の部分には、鉄が多く含まれていますし、ビタミンB群も豊富です。一方、米には、ビタミンB群も鉄もわずかな量しか含まれていません。したがって、肉を食べずに米中心の食生活を続けることは、慢性的なビタミンB群不足と鉄不足を引き起こすので、ATPを体の中で作れなくなってしまいます。

当然、糖質摂取や脂質摂取で蓄積した体の脂肪は、ATP産生に利用されませんから太りやすくなります。たくさんのATPを生み出すためには、肉食が重要なのです。

糖質を摂取しなければ脂肪の分解が進む

炭水化物(糖質)を摂取すると、体に蓄えた中性脂肪の分解がストップします。一方、糖質を摂取しなければ、中性脂肪の分解が進みます。中性脂肪は、グリセロール1個に脂肪酸3個がくっついたものです。中性脂肪が分解されると、脂肪酸からATPが合成されます。

したがって、中性脂肪を減らそうと思ったら、中性脂肪の分解をストップさせないことが大切です。そして、それを可能とするのが糖質制限です。詳しいことは以下の記事に書いてますが、簡単に言うと、糖質摂取を控えることで、脂肪酸ダダ漏れ状態を作り出せるのです。

 

脂肪酸ダダ漏れ状態になっても、ビタミンB群や鉄が不足していればATPを作れません。でも、肉中心食であれば、ビタミンB群も鉄も多く摂取できるので、脂肪酸をエネルギー利用しやすくなります。女性は月経があるので鉄不足になりやすいですから、男性よりも多くの鉄を摂取する必要があります。

肥満の原因は、日頃、口にしている米やパンなどの炭水化物が多く含まれている食品なのですが、鈴木明子さんが10代だった頃は、まだ糖質制限の認知度が低く、太る原因は肉食だと思われていました。

糖質が太る原因だと、もっと知られるようになれば、肥満に悩む人が減るでしょうし、拒食症の予防にもなると思います。でも、まだまだ糖質制限に理解を示す人は少数派ですから、肉食は太りやすいという情報が誤りだと多くの人に認知されるには時間がかかりそうですね。


糖尿病の発症はインスリンスパイク経験数と相関関係にある

厚生労働省の平成28年(2016年)の「国民健康・栄養調査結果の概要」によると、「糖尿病が強く疑われる者」が1,000万人、「糖尿病の可能性を否定できない者」が1,000万人、総数で2,000万人とのことです。

日本国民6人に1人が糖尿病か糖尿病かもしれないという状況です。これを多いと見るか少ないと見るかは、人それぞれですが、私は非常に多い数字だと思っています。

糖尿病になる原因は何?

そもそも糖尿病になる原因は何なのでしょうか?

糖尿病は肥満者がなる危険性が高いですが、痩せていても発症しうる病気です。人間は糖質を摂取すると血糖値が上がります。血糖値が上がると、すい臓のβ細胞からインスリンが追加分泌されて、血糖値は食前の水準まで下がります。血糖値が上がっても、すい臓から十分にインスリンが追加分泌されず、高血糖が持続する状態になると糖尿病と診断されます。

インスリンの分泌量が減る原因は、何度も食後高血糖を起こし、そのたびにインスリンを追加分泌し続けた結果、すい臓のβ細胞が壊れてしまうことだと考えられています。特に糖質を食べると血糖値スパイク(グルコーススパイク)と呼ばれる急激な血糖上昇が起こり、それに従ってインスリンも大量に分泌されるインスリンスパイクが起こります。

このインスリンスパイクがβ細胞に負担を与え、何度も経験することで壊れると考えられています。

すい臓にはβ細胞がたくさんあるので、1個や2個壊れても、血糖値に大きな影響を与えないでしょう。しかし、健康診断などで高血糖が指摘され、詳しく調べると2型糖尿病だとわかった時にはβ細胞の50%が壊れてしまっていると言われています。

糖尿病になっても、それだけで死ぬわけではないのですが、様々な合併症を併発するので怖い病気です。しかも、壊れたβ細胞は復元しないとされているので、糖尿病は不治の病と考えられています。だから、糖尿病は、予防がとても重要になります。

糖尿病の年代別推移

厚労省の「国民健康・栄養調査」では、その年の「糖尿病が強く疑われる者」と「糖尿病の可能性が否定できない者」の年代別の割合が記されています。これを利用して、平成18年(2006年)と平成28年(2016年)の両者の推移を年代別、性別で調べてみました。

こちらは男性です。

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糖尿病推移(男性)

 

そして、こちらが女性です。

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糖尿病推移(女性)

 

男女とも年齢が高くなるにしたがって、「糖尿病が強く疑われる者」と「糖尿病の可能性を否定できない者」の合計が増える傾向にあります。また、生まれた年代ごとに見ても、男女とも年齢が上がれば「糖尿病が強く疑われる者」と「糖尿病の可能性を否定できない者」の合計が増えています。

各年代で加齢とともに糖尿病の人や糖尿病かもしれない人が増えているので、年をとれば糖尿病になりやすいと推測できます。70歳以上になれば、約40%の人が糖尿病か糖尿病の可能性があるのですから、糖尿病は国民病と言えそうです。

インスリンスパイクを経験するほど糖尿病になりやすい

さて、加齢とともに糖尿病になりやすい傾向にあることから、糖尿病は老化だと考えることもできます。一方で、糖尿病は生活習慣とも関係があるとも言われています。

糖尿病が加齢で発症しやすいのなら対策は難しいですが、生活習慣が原因なら対策は可能ですよね。

先ほども述べましたが、糖尿病はインスリンスパイクを何度も経験してβ細胞が壊れた状態なのですから、インスリンスパイクを起こす回数を減らせば糖尿病予防になるのではないでしょうか。1日3回、糖質(炭水化物)が多い白米を食べていれば、そのたびにインスリンスパイクを起こします。パン食でも、糖質量が多いのでインスリンスパイクを起こします。

1日3回、インスリンスパイクを起こすと、1年間では約1,000回のインスリンスパイクを起こす計算です。10歳で1万回、20歳で2万回、30歳で3万回、そして70歳以上なら7万回のインスリンスパイク経験数になります。70歳以上の約40%が糖尿病か糖尿病かも知れない人ですから、インスリンスパイクを7万回経験すると40%の確率で糖尿病か糖尿病予備軍になると推測できますね。

しかも、日本人は、ほとんどの人が1日3食で、毎食、米やパンなどの高糖質な食品を口にしていますから、インスリンスパイク経験数と糖尿病の発症率との間に相関関係があると考えることができます。

 

しかし、どんなに統計データを分析しても、そこからは確からしさしか得ることはできません。限りなく黒に近い灰色、限りなく白に近い灰色までは推測できても、真実を知ることはできません。よく糖質制限を批判する人は、統計データを持ち出しますが、それだけで糖質制限が健康に悪い影響を与えると結論付けることはできません。

糖質を摂取しないと、体の中でどのような不都合な反応が起こるのかを解説して糖質制限を批判している人は皆無ですね。無理やり理論を組み立てて批判している人もいますが、根本的なところで間違っていることが多いです。

統計だけで糖質制限を否定している人には、インスリンスパイク経験数と糖尿病発症率の推移を示すだけで十分です。両者の相関関係を崩すのは、統計だけでは困難でしょうね。

遊離脂肪酸濃度が高いと小腸からの脂肪吸収が抑えられる

太っている人が痩せようとする場合、摂取カロリーよりも消費カロリーを多くすることが常識となっています。

しかし、人間が太ったり痩せたりすることを「カロリー」の一言で片づけるのは簡略化し過ぎです。食事をすると体の中では様々な化学反応が起こりますが、それをカロリーだけで説明するのは乱暴ですね。例えば、脂質は1グラムで9kcalあり、糖質やタンパク質の4kcalよりもカロリーが多いから太りやすいと考えるのも、体内での化学反応を無視した理屈です。

脂肪吸収と遊離脂肪酸濃度の関係

豚ロースの脂身を見ると、「これを食べたら自分のお腹に付いてしまう」と思うもの。

しかし、脂身を食べたからと言っても、必ず贅肉になるわけではありません。食べた脂身が贅肉になるかどうかは、血中の遊離脂肪酸濃度とも関係しているからです。

形成外科医の夏井睦先生の著書「炭水化物が人類を滅ぼす【最終解答編】」にその辺りのことが簡潔に記されています。

食物中の脂肪は小腸から吸収されるが、吸収されるかどうかは血中の遊離脂肪酸濃度によりコントロールされている。血中遊離脂肪酸の濃度が低ければ脂肪は吸収されるが、遊離脂肪酸の濃度が正常値に達すると、腸管からの脂肪吸収はストップし、腸管内に残った脂肪は便と一緒に排泄される。
これは、血液中の遊離脂肪酸の溶存量には限界があって、それ以上は溶け込むことができないためらしい。つまり、脂肪たっぷりの食事をしても、それに含まれる脂肪が全て吸収されるわけではないのだ。(101ページ)

血中の遊離脂肪酸濃度が高いと小腸からの脂肪吸収が抑えられます。20グラムの脂身が付いたロースステーキを食べても、血中の遊離脂肪酸濃度によって脂肪の吸収量が変化するのですから、「脂肪は高カロリーだから太る」とは一概には言えないのです。

血糖値が上がれば脂肪が吸収されやすくなる

血中の遊離脂肪酸濃度が高いと脂肪吸収が抑えられるのですから、太っている人が痩せようと思った場合には、血中の遊離脂肪酸濃度を高めてあげれば良いです。

そんなことができるのかと思う方もいらっしゃるでしょうが、簡単にできます。ただ、糖質(炭水化物)を食べなければ良いだけです。

糖質を食べると、血糖値が上がります。血糖値が上がると、すい臓はインスリンを分泌します。インスリンは、血中の糖質(血糖)を脂肪組織に押し込んで中性脂肪に変えます。そうすると、血糖値が正常値まで下がります。

血糖値が上がっていない状況では、ホルモン感受性リパーゼという酵素が、中性脂肪をグリセロールと脂肪酸に分解し、血中に脂肪酸を放り込んで他の組織に運びます。この時、血中の脂肪酸はアルブミンと結合して遊離脂肪酸となります。

しかし、インスリンはホルモン感受性リパーゼの働きを抑える作用があるので、糖質摂取で血糖値が上がりインスリンが分泌されると、中性脂肪の分解が進まなくなり血中の遊離脂肪酸濃度が下がります。この状況で豚ロースの脂身を食べれば、その多くが小腸から吸収されることは容易に想像できるでしょう。

肥満の予防や解消に糖質制限が有効なのは、この辺りにも理由があるのです。

糖質と脂質の同時摂取は太る

血中の遊離脂肪酸濃度を高く保つためには、常に中性脂肪が分解されている状態を維持しなければなりません。しかし、先ほども述べたように糖質を摂取してインスリンが分泌されると遊離脂肪酸濃度が下がります。

この遊離脂肪酸濃度が下がっている状態で脂肪を口に入れると、小腸からの吸収率が高まります。例えば、ご飯と一緒にトンカツを食べれば、ご飯に含まれる糖質がインスリン分泌のスイッチを押し、遊離脂肪酸が下がりますよね。そうすると、トンカツの端っこの脂身が小腸から吸収されやすくなりますから、お腹周りに贅肉が付いてしまいます。

そう、糖質と脂質の同時摂取は太りやすいのです。さらに糖質とタンパク質を同時に摂取した場合もインスリン分泌が増えるので、糖質、脂質、タンパク質を一緒に食べると肥満が加速します。

糖質、脂質、タンパク質の中で肥満の原因を作っているのは、糖質だと気付きましたよね。同じ摂取カロリーでも、糖質と脂質を組み合わせて食べる場合の方が、脂質とタンパク質を組み合わせて食べる場合よりも太りやすいのです。

カロリー収支だけで、太るか痩せるかを語ることはできませんよね。

参考文献

インスリンはアミノ酸代謝制御が本来的働き。血糖降下作用は派生的。

糖質(炭水化物)を食べると血糖値が上がります。血糖値が上がると、すい臓のβ細胞からインスリンが分泌されて、余分な血糖は血液中から除去されます。

血液から除去された血糖はどこに行くかというと、脂肪組織です。血糖は中性脂肪に変えられて脂肪組織に蓄えられます。だから、糖質摂取は肥満の原因であり、インスリンは肥満ホルモンと呼ばれています。

上がった血糖値を下げるホルモンは、インスリンしかないので、インスリンの主たる働きは血糖降下作用だと考えられています。でも、生物進化の観点からは、血糖降下作用は派生的役割で、本来的役割はアミノ酸代謝制御のようです。

インスリンはタンパク質摂取で分泌されるもの

裳華房から出版されている「成長・成熟・性決定-継-」という本を読んでいるのですが、同書の中にインスリンについて興味深い記述がありました。

この本は、日本比較内分泌学会編集委員会が編集しており、ホルモンから生命現象や生物進化を解説しています。

インスリンは、人間も含めた哺乳類だけでなく、鳥類、魚類、爬虫類、両生類でも分泌されます。インスリンは、糖質摂取だけで分泌されると思っている人もいますが、実際にはタンパク質摂取でも分泌されます。むしろ、タンパク質摂取による分泌が主のようです。

タンパク質を食べると、消化管内でアミノ酸まで分解されて体内に吸収されます。そして、アミノ酸が血中に入ってくると、インスリンが分泌され細胞にアミノ酸が取り込まれます。体内では、タンパク質の合成と分解が日々行われていますから、インスリンはアミノ酸からタンパク質を合成するために必要なホルモンなんですね。

胎児ではインスリンは血糖値制御を担当していない

インスリンは血糖値も下げるホルモンですが、どうやらインスリンに強力な血糖降下作用が見られるのは哺乳類だけのようです。

魚類にいたっては、タンパク質摂取で強力なインスリン分泌誘導効果が認められるのにグルコース(糖質)を投与してもインスリン濃度の上昇はわずかです。したがって、魚類にグルコースを投与すると高血糖状態が長時間持続します。人間なら糖尿病と診断されるでしょうね。

鳥類だと、インスリンより、血糖値を上昇させるグルカゴンの分泌の方が多くなっています。鳥類では血糖値を上げる機能の方が強いようです。もちろん、鳥類でも、グルコースの投与でインスリンは分泌されますし、インスリンの投与で血糖値の低下が認められるので、インスリンが血糖降下作用を持っています。しかし、哺乳類との比較では、その機能は弱いそうです。

哺乳類は、グルコースに強力なインスリン分泌誘導効果があるとともにアミノ酸にもインスリン分泌誘導効果があります。しかし、ラットでの実験ではありますが、哺乳類の胎児にグルコースを投与してもインスリン分泌は認められません。ところが、グルコースにアルギニンとロイシンの2種類のアミノ酸を加えて投与すると強いインスリン分泌が認められます。ここから、インスリン分泌は、グルコースよりもアミノ酸による誘導がより原始的だと考えられます。

したがって、哺乳類の胎児では、インスリンは血糖を下げるためではなく、アミノ酸を細胞に取り込む作用が主だと想像できます。

産科医の宗田哲男先生の著書「ケトン体が人類を救う」で、臍帯血を調べたらケトン体濃度が著しく高かったと述べられていることから、人間の胎児でも、母体からのグルコースの供給が限定的かないかのどちらかと想像できるので、インスリンは血糖降下作用を持っていないのかもしれません。そうすると、哺乳類の胎児は、グルコースではなく脂肪酸やケトン体を主たるエネルギー源にしていると考えられそうです。

インスリンは血糖値制御のために分泌されていない

「成長・成熟・性決定-継-」では、インスリンの作用について以下のように整理されています。

①哺乳類においてインスリンは血糖値制御のキーホルモンである.②胎児では,インスリンは血糖値制御を担っていない.③鳥類では、血糖値調節においてインスリンよりもグルカゴンが優勢である.④爬虫類ではインスリンはアミノ酸とグルコースの代謝に関係する.⑤魚類ではインスリンは血糖値制御において重要ではない.⑥アミノ酸代謝におけるインスリンの重要性は哺乳類,哺乳類胎児,鳥類,魚類で示されているが、血糖値制御における重要性は哺乳類においてのみ示されている.(34~35ページ)

このことから、「インスリン=血糖値制御ホルモン」は、進化の視点から見れば、脊椎動物の生理的性質として派生的で、アミノ酸代謝制御がインスリンの原子的かつ基本的機能の一つと考えられるとまとめられています。

しかも、哺乳類の場合、胎児だけでなく乳児でも、インスリンが血糖値制御ホルモンとして働いていないそうですから、インスリンが血糖を下げる働きをするのは後天的に獲得した機能なのではないでしょうか。

糖質制限とインスリン抵抗性

糖尿病かどうかを調べる検査にブドウ糖負荷試験があります。75グラムのブドウ糖を摂取した後、血糖値がどのように動くのかを調べて、糖尿病かどうかを診断します。高血糖が長時間持続していれば、糖尿病と診断されます。

糖尿病でない人が、ブドウ糖負荷試験を受けた場合も、高血糖が長時間持続して糖尿病と診断される場合があります。食事で摂取する糖質量を少なくする糖質制限をしていると、このように診断されることがあります。

この場合、インスリン分泌が保たれてるので、糖尿病ではありません。でも、インスリンが分泌されているのに血糖が処理されないインスリン抵抗性が惹き起こされているので、血糖値は高くなります。

一般的にインスリン抵抗性は、太っていると惹き起こされると言われています。糖質ばかりを食べていると、インスリンが糖質を中性脂肪に変えて脂肪組織に蓄えていきます。しかし、これ以上脂肪組織に中性脂肪を蓄えられないほど太ってしまうと、どんなにインスリンが分泌されても、血糖を脂肪組織に取り込めません。そのため、インスリン分泌が保たれていても高血糖が持続します。それでも、すい臓のβ細胞は、血糖値を下げるためにインスリンを分泌し続けるため、いずれ疲弊し、やがて死んでしまいます。このβ細胞が死んでインスリン分泌不全になるのが、本物の糖尿病です。

では、糖質制限をしている人のインスリン抵抗性はどういうことなのでしょうか?

糖質制限をしていれば、インスリンが追加分泌されないので、血糖が中性脂肪に変わって脂肪組織に蓄えられることは、普通は考えられません。だから、脂肪組織に蓄えられない以上に中性脂肪が蓄積することは考えられませんし、肥満を原因とするインスリン抵抗性が惹き起こされることも考えられません。それなのに糖質制限をしていると、インスリン抵抗性が惹き起こされるのは、哺乳類の胎児や乳児と同様の状態になっているのではないかと思うんですよね。

糖質制限をしていれば、外からグルコースを補給できないので、必要なグルコースは自前で賄わなければなりません。このグルコースの自家生産機構が、糖新生です。

グルコースの外部供給が絶たれた状態では、糖新生で作り出したグルコースは、それを絶対的に必要としている赤血球などに優先的に供給する必要があります。そのため、グルコースだけでなく脂肪酸やケトン体もエネルギー利用できる他の組織にグルコースを回す余裕はないでしょう。つまり、糖質制限で惹き起こされるインスリン抵抗性は、グルコースを必要としている組織に優先的に供給するための仕組みであって、これこそが本来の哺乳類の姿ではないでしょうか。

このように考えると、肥満と糖質制限のインスリン抵抗性には、以下のような違いがあると思います。

  • 肥満によるインスリン抵抗性は、恒常性(ホメオスタシス)の破綻
  • 糖質制限によるインスリン抵抗性は、恒常性(ホメオスタシス)の維持

哺乳類だけが、それも胎児や乳児以外で、糖質摂取でインスリンの追加分泌が起こることが、そもそも異常な状態なのかもしれませんね。

参考文献

タンパク質摂取が血糖値を上げると言うけど実は下げてるんじゃないの?

血糖値を直接上げるのは糖質(炭水化物)だけです。だから、高血糖が気になりだしたら糖質制限をするのが基本だと言われれば、すぐに納得できます。中には、感情的に反論する人もいますが。

それはさておき、タンパク質を食べた場合も、血糖値を上げるグルカゴンというホルモンがすい臓のα細胞から分泌されるので、間接的に血糖値が上がります。だから、タンパク質を食べても血糖値が上がると言われています。

でも、タンパク質を摂取すると、血糖値を下げるインスリンというホルモンもすい臓のβ細胞から分泌されます。だから、インスリン分泌に着目すると、タンパク質摂取は血糖値を下げるとも言えるはずです。

タンパク質摂取で血糖値は大きく動かない

それなら、タンパク質摂取で血糖値が上がるか下がるかを実験すれば簡単に結論が出ます。

実際に神経内科医のたがしゅう先生が、ご自身と知人のAさんの血糖値がタンパク質摂取でどのように動いたかを計測されています。その結果は以下のブログ記事に掲載されています。

ご覧になっていただければわかりますが、お二人の血糖値は、タンパク質摂取前と摂取後で大した変動を見せていません。したがって、タンパク質摂取では、通常、血糖値は大きく動かないと解釈できます。2人のサンプルじゃ少なすぎると言えばその通りですが、そもそも、たがしゅう先生が実験する以前にすでにタンパク質を食べても血糖値に大きな変動を与えないことはわかっていたことです。たがしゅう先生は、そう言われていることが本当かどうかを自ら調べて確かめてくれたんですね。

インスリン分泌が主だと思うんだけど

タンパク質摂取で、インスリンとグルカゴンが同時に分泌されるのはおもしろいですね。一方では血糖値を下げようとし、一方では血糖値を上げようとしているのですから。そんな面倒なことするくらいなら、最初からタンパク質摂取でインスリンもグルカゴンも分泌されない仕組みにしておけば良いのに。

これは、自動車で例えると、ブレーキ(インスリン)とアクセル(グルカゴン)を同時に踏んで、速度を一定に保ちながら走行している状態と同じですよね。そんなことしたら、車のエンジンがおかしくなりそうな気がするのですが。

こんなことを私が考えるようになったのは、哺乳類の胎児に糖質(グルコース/ブドウ糖)を投与してもインスリンが分泌されないということを知ったからです。ラットの実験なので人間にも当てはまるのかはわかりませんが。

そもそも、哺乳類はタンパク質を摂取した時にインスリンが分泌される設計だったとしたら、それはちょっと困りものなのです。なぜなら、タンパク質を摂取するたびにインスリンの作用で血糖値が下がり、低血糖を起こしてしまうからです。低血糖はとても危険な状態なので、タンパク質摂取は命がけの儀式と言わざるを得ません。

しかし、タンパク質摂取で血糖値が下がっても、それに気づいたすい臓のα細胞が、速やかにグルカゴンを分泌すれば、低血糖に陥らず血糖値を食前と同じ水準に維持できます。

なので、タンパク質摂取は血糖値を下げるけども、グルカゴンのおかげで低血糖にならないのだと思うんですよね。つまり、タンパク質摂取で血糖値が上がるのが先ではなく、タンパク質摂取で血糖値が下がるのが先じゃないかと思うのです。

これが本当なら、先のたがしゅう先生の実験では、インスリン分泌が先、グルカゴン分泌が後となっているはずなのですが、実際にはどちらもタンパク質摂取後に分泌されるまでの時間はほぼ同じです。ただ、グルカゴンの分泌時間の方が長いみたいですから、この辺りに何か秘密があるのかもしれません。

インスリンとグルカゴンのどちらが先かがわかったところで、血糖値に変化がないのなら考えても意味がないですね。でも、糖尿病の方は、タンパク質摂取でも血糖値が上がる場合があるので注意が必要です。糖尿病の方はβ細胞が弱って、インスリン分泌が減っているので、どうしてもグルカゴンに負けてしまうのでしょう。ブレーキは弱くなってるけどアクセルは正常な自動車といったところでしょうか。

それなら、α細胞もインスリン分泌量に合わせてグルカゴンを分泌してくれれば良いのですが。

長い食習慣が、α細胞をパブロフの犬状態にしてしまって、タンパク質が体内に入ってくると無条件にグルカゴンを分泌するようになっているのでしょうか?パブロフの犬は、食事の前にベルを鳴らし続けていると、エサをあげなくてもベルを鳴らせばよだれを垂らすようになるという、あれね。

これ以上考えても、鶏が先か卵が先かと同じ議論になりそうなので、この辺でやめておきます。

糖質制限で薄味に満足できるようになるのは亜鉛不足が解消されるからだと思うよ

普段の食事で、米、パン、麺類など炭水化物(糖質)が多く含まれている食品を控える糖質制限をしていると、薄味で満足できるようになると言われています。私も、糖質制限を始めてから、食べ物に調味料をかけることが少なくなりました。

ソースや醤油にも糖質が含まれているので、使わないように心掛けている点はあるのですが、肉や魚にソースや醤油をかけると味が濃くなりすぎて食べにくくなるのが主な理由です。最近では、肉類や魚の刺身には、アオサ粉を振り掛けて食べています。これだけで味付けは十分ですし、何もかけなくても美味しく食べれています。

味覚を感じるのは味蕾細胞が正常だから

糖質制限で薄味を好むようになるのは、味のしない米やパンと一緒におかずを食べなくなるからだと言われることが多いです。これは一理あると思います。濃い味付けのおかずも、味のしない米や食パンと一緒に食べれば薄まりますからね。

あと、以前に以下の過去記事で書きましたが、タンパク質摂取を増やすと薄い味でも満足できるようになるというラットの実験がありますから、低糖質高タンパクな食事を続けていくうちに薄味になれてくる可能性があります。

ただ、米やパンと一緒におかずを食べないから薄味になるというのは個人的な嗜好の問題なので、糖質制限をしている人全員に当てはまるとは言えないでしょう。また、ラットの実験をそのまま人間に当てはめることもできませんから、低糖質高タンパクな食事で本当に薄味を好むようになるかもわかりません。

そもそも、食べ物の味を感じるのは、舌にある味蕾細胞(みらいさいぼう)のおかげです。したがって、味蕾細胞に異常があれば味覚を感じ取ることができないので、どんなに糖質制限をしても薄い味を感じ取ることはできません。

つまり、薄い味付けでも、しっかりと味を感じるのは、味蕾細胞が正常に働いてくれているからなんですね。

亜鉛不足が味覚異常を起こす

味蕾細胞が正常に働くためには、味蕾細胞の新陳代謝が問題なく行われている必要があります。

味蕾細胞の新陳代謝に深くかかわっている栄養素は亜鉛です。したがって、日頃から亜鉛をしっかりと摂取していれば味覚異常を予防できます。栄養学博士の川島由起子先生監修の「カラー図解 栄養学の基本がわかる事典」に亜鉛と味覚の関係について簡単に説明されているので紹介しておきます。

亜鉛は味覚を正常に保つという重要な働きも担います。人間は舌の表面に約9000個ある味蕾と呼ばれる組織で味覚を感じ取っています。味蕾細胞は約1か月という短いサイクルでつくり替えられますが、新陳代謝に亜鉛が関与しているため、亜鉛不足が続くと味蕾が正常に維持されず、味覚異常が起こります。(168~169ページ)

亜鉛が多く含まれている代表的な食品は、海のカキです。100グラム当たりで13.2mgの亜鉛含有量です。成人男性の1日当たり亜鉛の摂取推奨量が10mg、女性で8mgですから、カキの亜鉛含有量はかなり多いですね。また、牛肉も100グラム当たりで、部位によりますが、5mg前後の亜鉛を摂取できます。レバーも亜鉛含有量が多いですね。

他に卵や魚介類も亜鉛が比較的多く含まれています。糖質制限をすると、肉類、卵、魚介類を多く食べるようになるので、亜鉛摂取量は高糖質食に比べると格段に多くなります。

糖質制限をすると、薄味でも満足できるのは、炭水化物主体の食事よりも多くの亜鉛を補給できて、味蕾細胞の新陳代謝が活発になるからだと思います。

 

早い話が、米や麦ばかり食べていると亜鉛の摂取量が減って、味覚がおかしくなるということです。ウェブ上で、糖質制限すると亜鉛不足になるという情報をたまに見ますが意味不明。

参考文献

糖質制限ダイエットでリバウンドしたとか意味不明

先日、カンブリア宮殿というテレビ番組を見ていると、ライザップの社長さんが出演されてました。この番組は、作家の村上龍さんとアシスタントの小池栄子さんが、毎回経営者をゲストに招いて仕事の話を聞くといった内容です。

ライザップと言えば、「結果にコミットする」のCMですよね。見たことない人はほとんどいないんじゃないですか。メタボなおじさんのビフォーの映像が流れた後、痩せてしかも筋肉質になったアフターの映像が流れる、あれね。

番組では、ライザップの起業当時の話やなぜダイエット事業に取り組んだのかなどが紹介されていました。

ライザップも低糖質食を指導

私は、ライザップに通ったことがないので、トレーナーからどのような指導を受けるのか具体的なことは知りません。番組だと、三日坊主で終わらないようにトレーナーと生徒が一体になってダイエットに取り組む工夫がされているとのことでした。

番組中では、ある生徒さんの昼のお弁当が紹介されていましたが、その中身は米やパンなど炭水化物(糖質)がほとんど含まれていない低糖質食でした。トレーナーの方も、糖質で太るとおっしゃっていたので、ライザップに通っている間は低糖質食、つまり糖質制限を徹底されるようです。

以前からライザップは、指導内容に糖質制限を組み込んでいると噂では聞いていたのですが、番組を見る限りでは本当のようです。

私が思うには、ライザップでの痩身効果は、低糖質食が大きな比重を占めているのではないかと。さらにマシンを使った筋トレも、トレーナーがつきっきりで指導するので、痩せながら筋肉がついてくるのでしょう。

1ヶ月ほどすると、体重の減少が止まることが多く、そこからが勝負と言ってました。ライザップは1ヶ月以内の退会は、どんな理由でも会費を全額返金してるそうですから、ここで辞められると大損です。結果にコミットするために停滞期に入ってからも継続できる工夫をいろいろとしているみたいでしたよ。

リバウンド保険もあった

番組を見てると、目標の肉体になりライザップを卒業した後、リバウンドする人がいるとも述べられていました。

徹底した食事制限と筋トレ、さらに有酸素運動と過酷な日々を送ってきたら、卒業後に気持ちが緩んでしまうのかもしれませんね。でも、リバウンドした場合も、ライザップにはリバウンド保険があって、再び無料でライザップの指導を受けれると紹介されてました。

ライザップの会費は数十万円するので、高額な会費を無駄にしたくないという理由でトレーニングを継続する生徒さんは多いと思います。そして、高額な会費を払って作った体を維持したいと考えるでしょうから、そうそうリバウンドはしないように思うのですが。それでも、リバウンドしてしまう人がいるので体型の維持は難しいのかもしれません。

しかし、糖質制限を5年近く続けている私に言わせると、糖質制限を継続している限りリバウンドなんてありえません。

太る原因は糖質

よく糖質制限ダイエットで一気に痩せたけど、やめたらリバウンドしたという噂を聞きます。

そんなの当り前。

太る原因は糖質摂取にあるのですから、糖質制限をやめれば体に脂肪がぶくぶくとついていきます。これを理解していない人は、糖質制限ダイエットを短期間だけやって、痩せたら糖質を食べ出すんですよね。

そもそも糖質制限ダイエットという言葉がよろしくない。糖質制限は短期的なダイエットでやるものではなく、一生続けるものだと私は考えています。なので、糖質制限の後ろに「ダイエット」をつけることがそもそもおかしいと思いますよ。

糖質制限にダイエットをつけようがつけまいが、どっちでもいいことですが、糖質制限を始めて体重が減り始めた時には、なぜ糖質を摂取しなければ痩せるのかを調べてほしいです。

 

まず知らなければならないことは、糖質(ブドウ糖)がどのようにエネルギー利用されるかです。ブドウ糖は細胞内に取り込まれると、解糖系でピルビン酸に加工されます。ピルビン酸はさらに細胞内のミトコンドリアに運ばれてアセチルCoA(コーエー)に変換され、そこからクエン酸回路、電子伝達系と続き、様々な反応を経てアデノシン三リン酸(ATP)と呼ばれるエネルギーが作られます。

しかし、解糖系はミトコンドリアよりも反応の進みが速いので、糖質を撮り過ぎれば、ミトコンドリアでアセチルCoAが渋滞します。アセチルCoAの渋滞が起こるとクエン酸回路に入れず、脂肪酸合成の流れに移行し中性脂肪として体に蓄えられます。

したがって、糖質を食べれば食べるほど、ミトコンドリアでアセチルCoAの渋滞が起こり、贅肉に変わってしまうのです。

 

では、多くの人に肥満の大敵と思われている脂質はどうでしょうか?

脂質も食べ過ぎれば脂肪組織に蓄えられるので肥満します。しかし、脂質を食べている間も、中性脂肪の分解は進むので糖質摂取時ほどは肥満しません。それなら、糖質摂取時も脂肪の分解が進めば太らないと思うでしょうが、糖質を摂取するとインスリンが分泌されて脂肪の分解がストップするので、そう都合よくはいきません。

糖質制限を続けている限りリバウンドしない

糖質制限では、中性脂肪になりやすい糖質摂取を控えるのですから、続けている限りリバウンドすることはそうそうありません。

もしも、糖質制限でリバウンドするのなら、それは単に食べすぎなだけです。でも、そもそもリバウンドするほどの量を食べている人は、糖質制限を開始してからも太り続けているはずです。

以前にも書いたと思いますが、「糖質制限をやめたらリバウンドした」と言うのは「禁酒をやめたら酔っぱらった」というのと同じです。糖質制限がリバウンドするダイエット法なのではありません。糖質摂取が太る食事法なのです。

あと糖質制限をしても、食事量まで大幅に減らすのはよくありません。体調不良を招くだけですから。私も糖質制限を始めた当初は、食事量が減っていたと思います。食べる量が極端に減ると、肌が乾燥しやすくなったりするので、糖質を減らしても食事量は減らさないようにしましょう。食卓に並ぶご飯、パン、麺類をゆで卵2個や魚の切り身1切れと置き換えるような感じで、糖質制限前と食事量を同じにした方が良いです。

それでも、太り続けるのであれば食事量を見直しましょう。

 

もう一度書きますが、太る原因は糖質です。糖質制限をやめれば太るのは当たり前。

「糖質制限ダイエットをやめたらリバウンドした」とか意味不明です。

糖質制限のやめ時はいつですか?

ダイエット目的でも健康目的でも、糖質制限を始めたら、いつやめるべきかを考える人がいます。

糖尿病の方は、食後高血糖を防ぐためにも糖質制限食を継続しなければなりません。でも、ダイエット目的だと目標体重まで痩せることができたら、それ以降は糖質制限をする必要はないと思えます。しかし、糖質制限をやめた後にリバウンドするかもしれないと思うと、いつ糖質制限をやめるべきか悩みます。

いったい、糖質制限のやめ時はいつが好ましいのでしょうか?

死んだ時が糖質制限のやめ時

糖質制限のやめ時は、死んだ時です。つまり、糖質制限は一生続けるのが基本です。

ダイエット目的で糖質制限を始めた人は、痩せてしまえば糖質制限をする必要はないと考えがちです。でも、体に脂肪がつく原因が糖質だと理解していれば、目標体重まで痩せた後も、糖質制限を継続する必要があるとわかるはずです。

もちろん、糖質制限をしなくても食べる量を減らせば体重は減ります。また、食事量を上手にコントロールできれば、糖質制限で痩せた後も体重を維持できます。しかし、糖質を摂りながらの食事量のコントロールは、エネルギーは充足しているけどもタンパク質が不足しているクワシオルコルになりますから、体重は維持できていても、お腹がポッコリと出てしまいます。

健康な体作りには、高タンパク食が基本です。高タンパクを維持しながら高糖質な食事をすれば、エネルギーもタンパク質も充足しますが、糖質制限で減った体重は増加へと向かいます。なので、減った体重を維持しながら健康な体を維持するためには、高タンパク低糖質食、すなわち糖質制限を継続するしかありません。

糖質制限を続けると言っても、誕生日、クリスマス、バレンタインデーなど、たまに甘い物を食べたところで太ることはありません。人によっては、1週間に1回、ラーメンやスイーツを食べに行くこともあるでしょう。その程度であれば、許容範囲です。ダメなのは、米、パン、麺類など炭水化物(糖質)がたっぷり含まれた食品を常食することです。

糖質制限で痩せても、炭水化物を常食し出せば、体に脂肪が蓄積します。体重が増えないように高糖質低タンパクな食事をするとクワシオルコル一直線ですから、体重も体型も維持したいのなら、糖質制限は死ぬまで続けなければなりません。

ネットの情報は体験談を知るため

現在は、糖質制限ダイエットをする人が増えたことから、ネット上で多くの体験談を知ることができます。ブログやSNSを見れば、糖質制限でどれだけ痩せたとか、肌がきれいになったとか、疲労感がなくなったとか、体の変化を感じた人が自身の体験を教えてくれてますね。

一方で、糖質制限で体調が悪くなったという体験談を知ることもできます。

体調が悪くなった体験談は、「本当か?」と首をかしげたくなるものがほとんどですから、糖質制限をせずに適当なことを書いているものが多いのでしょう。だって、それらの体験談に書いてあることが私には起きてませんからね。

そうは言っても、人の体質はそれぞれですから、糖質制限で体調を崩す人はいると思います。また、糖質制限を始めて1週間から1ヶ月くらいは、私も違和感がありましたから、それを不調と捉える人もいるでしょうね。私が糖質制限を始めた当初の違和感は、筋肉が疲れやすい、肌の乾燥でしたが、これらは糖質制限開始後にタンパク質と脂質の摂取量をあまり増やさなかったから起こったのだと思います。今は、タンパク質も脂質も多く摂取しているので、筋肉が疲れることはありません。肌は冬場は乾燥しやすいですけども、糖質制限前よりも乾燥しにくくなってますね。

ネット上の糖質制限に否定的な情報の中で悪質なのは、やりもせずにもっともらしい理屈で糖質制限を否定するものです。

  • 脳のエネルギー源はブドウ糖のみ
  • 糖質制限をすると筋肉が分解される
  • 糖質制限でケトン体が多く合成されケトアシドーシスになる
  • 糖質制限で糖尿病になる

これらは全部ウソなのですが、知識がなければ信じてしまいます。糖質制限で糖尿病になるとか、あり得んでしょう。

 

このような情報に惑わされないようにするには、本を読むしかありません。ネットの情報よりも書籍の方が信頼性が高いですし、体系的に学ぶのには好都合です。

まず、糖質制限について基本的なことを知っておく必要があります。京都高雄病院の江部康二先生の「糖質オフ!健康法」は文庫で読みやすく、糖質制限がどういうものかを知るのに最適です。糖質の多い食品と少ない食品も一覧でまとめられているのも便利です。

 

「糖質オフ!健康法」を読んだ後は、栄養学の知識も身に着けておきましょう。栄養学では、自分が食べた物がどのように体に吸収され身になるのか、またエネルギーがどのように作られるのか、生きていくために必須の栄養素は何なのかを知ることができます。

栄養学の書籍では、「栄養学の基本がわかる事典」がおすすめです。特に体の中でエネルギーがどのように作られるのかについて基本的なことを学べるのが良いです。

 

栄養学の本を読んだ後は、体の中でどのような化学反応が起こっているのかを学びましょう。体の中の化学反応は代謝と言います。代謝の全体像をある程度つかむことができれば、ネット上の糖質制限批判に惑わされることはなくなります。

代謝については、大平万里先生の「代謝がわかれば『身体』がわかる」が読みやすいです。代謝は複雑なので難しいのですが、この本は割と全体像をつかみやすくなってます。

 

糖質制限をいつまで続けるべきかに悩んでいる人は、ネット上で情報を探すことばかりせずに本で栄養学や代謝を学ぶことをおすすめします。食べた物が体の中でどうなるのかを理解せずにダイエットしようとすることが、そもそもおかしな話です。


糖質酔いの定義

最近、ウェブ上で糖質酔いという言葉を見かけるようになりました。

あまり聞きなれない言葉ですが、糖質制限をしている人だと、なんとなく言葉の意味がわかるのではないでしょうか。反対に日頃から白米やパンなど炭水化物中心の食事をしている方だと、糖質酔いと言われてもなんのことかわからないでしょうね。

そもそも、糖質酔いという言葉は、医学用語でも何でもありません。国語辞典や広辞苑で調べても掲載されていません。なぜなら、この言葉をインターネット上で最初に使用したのは私だからです。

糖質酔いはどんな症状か

形成外科医の夏井睦先生が、糖質制限をしている人のことを糖質セイゲニストと名付け、今ではブログなどで目にする機会が増えています。糖質制限をしている人の多くが、糖質セイゲニストという言葉を知っていると思います。他にも、山田悟先生が緩やかな糖質制限のことをロカボと命名したり、糖質制限関係で様々な造語が生まれていますね。

それなら、私も何か言葉を考えて流行らせてやろうと思い、作ったのが「糖質酔い」です。

最初にこのブログで糖質酔いという言葉を使ったのは以下の記事です。

投稿したのは、2013年11月23日です。グーグルで検索しても、この日付より前に「糖質酔い」という単語が書かれたページはヒットしません。上の記事を書く前にグーグルで「糖質酔い」で検索し、誰も使用していないのを確認しましたからね。その頃は、「酒酔い」「船酔い」「車酔い」など、従来からある言葉ばかりがグーグルでヒットしていましたが、「糖質酔い」を見つけることはできませんでした。

だから、私がウェブ上で最初に「糖質酔い」を使ったことは、ほぼ間違いないでしょう。

最近では、グーグルの検索窓に「糖質酔い」と入力すると検索補助ワードとして「糖質酔い 症状」というキーワードも表示されるようになってます。ここまで来ると、「糖質酔い」関連のキーワードをグーグルに入力している人が増えてきていると想像できます。私のブログがオリジナルなのですが、今は「糖質酔い」で検索しても、私のブログが1位じゃないのがちょっと悲しいですが。

 

で、糖質酔いとは、具体的にどのような症状なのでしょうか。私が作った言葉ですから、私がそれを決めても問題ないはずです。

私は、糖質制限を始めてから、たまに糖質が多く含まれている食品や飲み物を摂取した時、以下のような症状が現れることがあります。

  1. 頭がボーっとする
  2. 睡魔に襲われる
  3. 頭痛がする

これらの症状は、お酒を飲んだ後に起こる症状と似ているなと思ったことから、糖質酔いと名付けたんですけどね。

睡魔に襲われることは、普段から高糖質な食事をしている方でも経験していると思います。昼下がりの仕事中にあくびが出るというのが、まさにそれです。昼食で白米、パン、麺類を食べてる人は、昼下がりにちょっと眠くなるのはいつものことと思うかもしれませんが、糖質制限をしていると、昼食後に眠くなることは滅多にありません。

多くの糖質を摂取すると血糖値が急上昇し、上がった血糖値を下げるためにすい臓がたくさんのインスリンを分泌します。この時、血糖値を上がった以上に下げてしまって起こる低血糖のことを機能性低血糖症とか反応性低血糖症とかいいます。糖質摂取後に睡魔に襲われたり、頭がボーっとするのは、機能性低血糖症の一種なのかもしれませんが、重篤な症状ではないので無視されがちです。

糖質酔いを短く定義する

糖質酔いの主な症状を上に示したところで、糖質酔いとはどういうものかを短く定義します。

 

「糖質酔いとは、糖質摂取時に起こる症状である。アルコール摂取で酔うのと似ており、眠気、頭痛、脱力感が主な症状である」

 

こんなところでしょう。

深刻な症状ではなく、糖質制限をしている人が、たまに糖質を多く摂取すると違和感を感じる程度が糖質酔いとしておきましょう。糖質摂取を続けていて、血糖値が全然下がらなくなったとか、目から出血したとか、そのような症状が出たら糖尿病です。なので、同じ糖質摂取が原因で起こると言っても、糖質酔いと糖尿病とは明確に区別しなければなりません。

そもそも、糖質酔いは、匿名で書いているブログ運営者が勝手に作った言葉であり、今のところは、インターネット上で一部の人だけに通じる言葉です。

頭痛などの症状で病院に行った時に「これは糖質酔いでしょうか?」とお医者さんに訊ねてはいけません。そんな言葉は医学用語でも何でもないのですから。

ほら、ウェブ上の巨大掲示板だけでしか通用しない言葉があるじゃないですか。「糖質酔い」も、あれと一緒。

糖質制限中に糖質を摂取しても言い訳しない

米、麦、麺類、甘いものなど炭水化物(糖質)が多く含まれている食品を食べないようにする糖質制限を続けていると、時々、高糖質食品が恋しくなることがあります。

私は、糖質制限を始めてから、そのような誘惑にかられたことはほとんどありませんが、パン屋さんやケーキ屋さんの前を通りかかった時にあの香ばしい匂いが鼻に入ってくると、菓子パンやケーキを食べたいなと思うことはあります。それでも、お店の前を素通りするのでパンやケーキを食べることはないのですが。

私の場合、食事は栄養補給が第一、味は第二という考え方なので、美味しいパンやケーキを食べるよりも、味の付いていないゆで卵を迷わず食べますから、糖質への誘惑が他の人よりも弱いのかもしれません。

食べたものは仕方ない

そうは言っても、毎年節分の日には、ぜんざいを食べたり甘酒を飲んだりするので結構な量の糖質を摂取しています。

「糖質制限中と言っておきながら、しっかり糖質を摂ってるじゃないか」

と言われも、そんなことは気にしません。食べたいから食べただけ。別に食べなくてもいいのですが、たまに糖質を摂取するくらいなら問題ありません。もちろん、糖尿病の方は、たまに糖質を摂取しても血糖値が著しく上がってしまうので良くないですが、健常者であればたまに糖質を摂取してもなんてことはありません。

それよりも、糖質が多く含まれている食品を食べた後に言い訳をする方がどうかと思いますよ。

  • 糖質が含まれてるけど、パスタはGI値が低いので大した影響はないはずだ
  • 時には糖質を摂取した方が、すい臓のインスリン分泌が衰えないはずだ
  • 甘い物は心の薬

こういう本当か迷信かわからないことを言いだすと、そのうち糖質制限をやめてしまうんじゃないですか。

食べたものは仕方ない。

糖質摂取を後悔するのではなく、それを受け入れてしまいましょう。美味しかったのなら、それでいいじゃないですか。また、次の食事から低糖質を心がければ問題なし。

糖質制限は長く続けることが大切

ダイエット目的であれ、健康目的であれ、糖質制限は長く続けることが大切です。そのための工夫として、たまに甘い物を食べたり、ラーメンを食べたりするのはありだと思います。

糖尿病治療に糖質制限食をすすめている医師の江部康二先生も、「おいしく楽しく」続けるものだとおっしゃっていますから、糖質制限を長く続けるためにいろいろと工夫した方が良いでしょう。そのために「たまに糖質をおいしく楽しく食べる」ことも、一つの手段です。

糖質を摂取して、いろいろと言い訳を考え始めると、糖質制限そのものをやめてしまうと思いますよ。別に糖質制限をしたくなければやめればいいのですが、その時に訳のわからない持論を展開して糖質制限を否定するのはやめましょう。

先ほど列挙した言い訳が、まさに訳の分からない持論でして、「糖質を食べれば血糖値が上がる」というシンプルな事実は変えようがありません。

糖質制限をやめれば、血糖値が1日に何度も上がったり下がったりを繰り返しますし、体に脂肪も付きやすくなります。

GI値とか気にして、朝、昼、晩の3度の食事で玄米を食べるようにしても、体内に糖質が入ってくれば血糖値は上がります。そんなことを気にするくらいなら、毎日3度の食事から糖質はできるだけ排除し、たまにカフェでケーキセットを注文して、至福のひと時を過ごす方が満足感が大きいでしょう。最近では、低糖質スイーツも販売されるようになってますから、それらを活用するのも良いと思います。

理屈をこねて糖質摂取を肯定するくらいなら、最初から開き直って糖質を食べた方が精神的にも良いですし、長く糖質制限を続けられるはずです。

糖質摂取についてあれこれと理屈を並べて正当化しようとするから、糖質制限のやめ時を考え始めるんじゃないですか。

 

「糖質を食べれば血糖値が上がる」

この単純な仕組みを知っていれば、糖質制限に終わりはないとわかると思うんですけどね。

肉食が人間の脳を発達させたんだよ

脳のエネルギー源はブドウ糖だから、炭水化物(糖質)をしっかり摂らないと脳が働けなくなる。

聞き飽きた言葉ですね。

しかし、これは間違いです。なぜなら、人間は自らブドウ糖を作り出す糖新生という機能が備わっており、また、脂肪酸から合成されるケトン体も脳はエネルギー利用できるからです。したがって、糖質を摂取してもしなくても、脳は働くので、糖質を積極的に摂取する理由はありません。

それよりも、人間の脳は肉食で発達したのですから、炭水化物よりも肉類や卵を優先して食べるべきだと思うんですよね。

植物食は低栄養食

炭水化物は、多くの場合、植物に含まれています。もしも、炭水化物を多く摂取した方が脳の働きが良くなるのなら、植物食こそが脳の発達に優れていなければなりません。

ところが、かつて植物食に特化したパラントロプスという猿人は、低栄養な食事のせいで滅びてしまいました。これについては以下の過去記事で紹介していますから、ご覧になってください。

 

パラントロプスは、頑丈型猿人と呼ばれています。現生人類よりも大きな顎と歯を持っており、食べ物を噛み砕く能力が高かったようです。

「そんなに顎と歯が強ければ、生存競争に有利だっただろう」と思うのですが、そうではなかったのです。パラントロプスの咀嚼力は、硬い植物を食べることに適していましたが、そもそも、植物が人類にとって低栄養だったため、脳が発達しなかったようです。理学博士の溝口優司先生の著書「アフリカで誕生した人類が日本人になるまで」の以下の文章を読むと、植物食が低栄養食であることがわかります。

食物に対するこの適応は、この時点では成功し、パラントロプスは160万年もの間、棲息し続けます。ただし、パラントロプスの生活は、その頑丈な顎を使って一日中何かを食べている、というものだったはずです。栄養価の低い食物から必要なエネルギーを得るには、ほとんどの時間を食べることに費やさざるを得ないからです。(30~31ページ)

硬い植物の茎や根にかぶりつくには、頑丈な歯と顎が必要だったはずです。パラントロプスは、そのために顎を発達させ、咀嚼力を高めたのでしょう。しかし、それでも、1日の大部分を食事に費やさなければならないという生活は変わらなかったみたいです。そのため、その他の創作活動ができず、脳が発達せずに滅びたのです。

脳の進化より肉食が先

「現代人の脳が発達したのは肉食が理由だ」ということは、人類進化のどの本にも書いてあることなので通説なのでしょう。

例えば、科学ジャーナリストの河合信和さんの著書「ヒトの進化 七〇〇万年史」では以下のように述べられています。

我々現代人につながるホモ属は、これまでに述べてきたアウストラロピテクス属から分岐し、頑丈型猿人と重なる形で今から二五〇万年前頃の東アフリカに登場した。彼らは、人類史上初めて石器を製作した。それは、肉食の開始時期とも重なる。石器製作と肉食開始は、脳の拡大とも深く関連していただろう。(143ページ)

「石器の製作と肉食の開始時期が重なるからと言っても、石器の製作の方が早かったかもしれないだろう」

と思うかもしれませんが、同書の次の文章を読めば、肉食が先だとわかります。

脳の拡大は、新たな食料獲得戦略、すなわち肉食の採用の結果であって、前提ではなかった。その新食料獲得戦略には、石器製作という大きなブレークスルーが伴った。(152~153ページ)

さらに「アフリカで誕生した人類が日本人になるまで」にも、栄養価の高い肉を食べるようになったことで時間的余裕ができ、食べること以外に脳を使うようになって脳が発達したということが述べられています。

これらの内容から、人類は肉食を覚えたことで脳を発達させることができたと考えられるわけですね。

脳の発達段階では飢餓は考えにくい

人類の歴史は、常に飢餓との戦いだった。

これも、よく耳にする言葉です。

しかし、人類が常に飢えていたというのも、ちょっと怪しいです。確かに江戸時代のように農業が発達していた時代でも、天候不順で飢饉になることはありました。そして、現代の日本では飢餓に苦しむ人はほとんどいませんから、現代と江戸時代を比較すると、江戸時代の方が食べる物に困っていたと考えてしまいますし、それよりも昔は、もっとひもじい生活をしていたと想像してしまいます。

ましてや原始時代となると、人類は農業もやっていなかったのですから、安定的に食料を確保できなかったに違いないと思うのは当たり前です。

でも、人類が肉食で脳を進化させたのは、栄養価の高い肉を食べることで、時間的余裕ができたからでしたよね。それなら、肉食を開始した時代に人類が飢餓で苦しんでいたと考えることには無理がありませんか?

もしも、肉食を開始した時代が、食料が不足する慢性的な飢餓状態であったのなら、その時代の人々は捕食活動に多くの時間を割かなければならなかったはずです。それだと、肉食で時間的余裕ができ、その他の活動に脳を使うようになったから、脳が発達したという通説が成り立たなくなります。

したがって、人類が脳を発達させていた段階では、食べ物が豊富にあったと考えるのが素直だと思います。

肉食に進化したから歯が小さくなった

人間が肉食に進化したのなら、犬歯がサーベルタイガーのような牙に発達していないとおかしい。

そういう反論も聞こえてきそうです。

しかし、人類は肉食に進化したからこそ、歯が小さくなったのです。

人間は、動物のように歯を獲物を捕らえるために使いませんし、外敵から身を守るためにも使いません。それは、人間が道具を使って獲物を捕獲するようになり、道具を使って身を守るようになったからです。

つまり、人類は無駄に歯を大きくするのではなく、道具を使うことで歯を小さくする方向に進化したのです。

「必要最小限の材料を使って、最大限の効果が得られるように形作られる」という適応戦略をルーの法則といいますが、人類も道具を使うようになって歯の役割が減ったので、歯が小さくなっていきました。だから、人類の場合は肉食が歯を小さくさせたと言えるんですね。

歯の形が、その生物の食性を決めると聞いたことがあるかもしれませんが、道具を使うようになった人類には、その理屈は必ずしも当てはまりません。

 

人間の脳は、ブドウ糖をエネルギー利用しますが、炭水化物の大量摂取で脳が発達したのではないです。もしも、現代人の祖先が植物食に特化し、炭水化物ばかりを食べていたら、現代人の顎はパラントロプスと同じくらい大きく、今の3倍くらいに発達していたかもしれません。

現代人の顎の小ささは、肉食で進化してきた証なんですね。

参考文献

緩やかな糖質制限では体の変化を実感しにくいよ

一口に糖質制限と言っても、やり方は様々です。

京都高雄病院の江部康二先生は、スーパー糖質制限、スタンダード糖質制限、プチ糖質制限の3段階の糖質制限を提案されています。それぞれの糖質制限のやり方は以下の通りです。

  • スーパー糖質制限=3食全てで米やパンなどの主食を抜く
  • スタンダード糖質制限=3食のうち2食を主食抜き
  • プチ糖質制限=3食のうち1食を主食抜き

 

上記3つの糖質制限は、その人のライフスタイルに合わせて好きなようにやれば良いと思います。でも、糖質制限による体の変化を早期に実感したいのであれば、スーパー糖質制限を実践することをおすすめします。

中途半端な糖質制限では懐疑心が生じるだけだよ

スーパー糖質制限では、主食を一切食べませんし、1食当たりの糖質摂取量を20グラム未満に抑えますから、1日の糖質摂取量は60グラム未満と、かなり少なくなります。

ところが、1食だけ主食を食べる場合、その食事だけで100グラムほどの糖質を摂取するので、後の2回の食事で糖質を20グラム未満に抑えても、1日当たりだと140グラム未満の糖質摂取量となります。スタンダード糖質制限とは言え、スーパー糖質制限の2倍以上の糖質摂取量ですから、身体的効果はそれほど高くなさそうですね。

ましてやプチ糖質制限だと、1日に200グラムほどは糖質を摂取するでしょうから、もはや高糖質食の部類に入ります。

 

医師の清水泰行先生が書かれているブログ「ドクターシミズのひとりごと」の下記記事で、緩やかな糖質制限を36ヶ月続けた2型糖尿病患者の方のHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)、LDL、HDL、中性脂肪の推移が掲載されています。

 

HbA1cは、過去2ヶ月くらいの血糖値の平均の目安となるもので、基準値は4.6~6.2%です。この数値よりも高いと、過去2ヶ月の血糖値が高めだったと予測できます。そして、6.5%以上となると、お医者さんから糖尿病と言われます。

上記記事に掲載されているのは、1日70~130グラムの糖質摂取を認める緩やかな糖質制限を2型糖尿病の方が行った結果です。介入前のHbA1cが「8.0±1.5%」だったのに対して、36ヶ月後は「7.5±1.3%」という結果で、それほど改善していません。

その他の項目も、微妙な変化です。

緩やかな糖質制限だと、目に見える効果が出るほどの血糖コントロールはできないんでしょうね。そして、緩やかな糖質制限の結果を見た人は、「糖質制限では血糖値が改善しない」と思うはずです。

中途半端な糖質制限では、その効果に懐疑心を抱くだけでしょう。

変化を感じたいならスーパー糖質制限

糖質制限で身体的変化を実感したいなら、スーパー糖質制限をするしかないでしょう。

スーパー糖質制限をすれば、良くも悪くも身体的変化に気づきます。

良い変化だと、「体重が減る」とか「体脂肪率が下がる」とかですね。

悪い変化は、私の場合だと「肌の乾燥」とか「筋肉の疲労感」でした。でも、これらも脂質やタンパク質の摂取量が少ないことが原因だと気付いたので、バターを食べるとか水切りヨーグルトにプロテインを加えるとかして、脂質とタンパク質の摂取量を増やしたら改善しました。夏場は、ところテインもありですね。

プロテインは、筋トレオタクが飲むものだと思いがちですが、タンパク質摂取にはとても便利です。プロテインスコアが極めて低いコラーゲンドリンクや胃液で消化されてただのタンパク質になる酵素ドリンクを飲むくらいなら、プロテインをおすすめします。

私は近所のドラッグストアでザバスのココア味を買うことが多いのですが、1食当たりの糖質量が3グラム未満なのに甘く感じます。甘味はなくても良いのですけどね。でも、糖質制限を始めたばかりの人だと、甘い物が欲しくなった時にプロテインは役立つと思いますよ。

 

糖質制限をして悪い結果が出た時、そこでこれまでの高糖質食に戻るのは、その人の自由です。でもね、緩やかな糖質制限をして良い結果が出なかったからといって「糖質制限はダメだ」と言うのはやめて欲しいです。

スーパー糖質制限で体調が悪くなった時も、主食を抜いて食事量が減り単に栄養不足に陥っているだけという人は多いはずです。ここで、栄養学の本を読めば、一気に栄養に関する知識を吸収できます。

別にスーパー糖質制限をしたくなければしなくてもいいですが、中途半端な糖質制限をして思った結果が出ずに「糖質制限は危険だ」と言いふらすのはやめてね。

参考文献

炭水化物を食べると眠くなるのはなぜ?それはオレキシンの分泌が減るからだよ。

お腹が空くと、頭がボーっとしてきて眠くなるから、朝食はしっかり食べましょう。

このようなことを一度は耳にしたことがあると思います。朝食を抜くと、血糖値が下がって脳が働かなくなることが眠気の原因だということです。

でも、昼食後、しばらく経過してから睡魔に襲われる経験をした人は、結構多いと思います。食後なら血糖値が上がっていますから、低血糖で眠くなることは考えられませんよね。しかし、午後1時から2時の間くらいになったら、仕事中なのにあくびが出てしまう人がいませんか?

昼食を食べてから、それほど時間が経っていないのに眠くなるのは不思議です。

反応性低血糖症なの?

食後に眠気が襲ってくる理由として、反応性低血糖症が挙げられることがあります。機能性低血糖症ともいいますね。

食事をして血糖値が上がると、すい臓のβ細胞からインスリンが分泌されます。インスリンは、血糖値を下げる働きをするホルモンです。食事で上がった血糖値は、このインスリンの作用で通常レベルまで下がります。

しかし、人によっては、インスリンが血糖値を下げ過ぎてしまい、低血糖を起こす場合があります。これが反応性低血糖症です。

反応性低血糖症を起こす人もいれば、起こさない人もいます。体質的なものなのでしょう。

反応性低血糖症に限らず食後に眠くなるのは、程度の差はあれ、インスリンが上がった血糖値を下げるからだと言われています。だから、インスリンの分泌量を抑えれば、血糖値が下がり過ぎず、睡魔に襲われることはないはずだと。

確かにこの説は一理あると思います。

炭水化物(糖質)を摂取すると、血糖値が上がりインスリンが分泌されます。でも、炭水化物を食べなければ、血糖値は上がらずインスリンは分泌されません。厳密にはインスリンの追加分泌を起こさないということです。

炭水化物の摂取量を少なくする糖質制限をすればわかるのですが、食後でも、炭水化物をほとんど食べていなければ眠くなることはありません。

だから、食事で、白米、パン、麺類を食べないことが食後の眠気対策になります。

高血糖が覚醒物質オレキシンの働きを抑える

高糖質食で、インスリンが分泌され血糖値を下げ過ぎてしまうことが眠気の原因だというのは、糖質制限をしている人たちの間では当たり前となっています。

私も糖質制限を始めてから、食後に眠くなることは、ほとんどなくなりました。だから、インスリンの追加分泌で血糖値が下がることが眠気の原因だとする説に納得していました。

 

でも、最近、この説も怪しいと思うようになりました。

分子生物学者の粂和彦先生の著書「時間の分子生物学」を読んでいると、オレキシンというホルモンの解説がありました。

オレキシンは、発見された時、食欲が増して食べる量が増えることがわかりました。その後、オレキシンは、睡眠を減らして覚醒を増やすことがわかります。さらにオレキシンを調べていくと、起きている時間帯は多く、眠っている時間帯は少ないこともわかりました。

どうやら、オレキシンは食欲と覚醒に関係するホルモンのようです。

 

先に述べたように食後の眠気は、インスリンが血糖値を下げるからと言われることがあります。また、食事で副交感神経の働きが優位になるから眠くなるとも言われています。

ところが、オレキシンの発見で、眠たくなるのは、覚醒物質の減少が関係しているのかもしれないと考えられるようになりました。

時間の分子生物学では、食後の眠気について以下のように説明されています。

オレキシンの研究から、食後、満腹になって血糖値が上がると、オレキシンの分泌が減ることがわかり、これが脳の覚醒度を下げて、眠気につながるらしいことが示されています。逆にネズミに餌を与えないで絶食させると、通常不眠になり、眠らないで餌を探し続けます。この時は、脳内のオレキシンの量が増えています。オレキシンは「食欲」を増し、「覚醒度」を上げて餌探しを続けさせるのですから、合目的的な二つの作用を併せ持っていることになります。(195~196ページ)

この文章で注目すべきは、「血糖値が上がると、オレキシンの分泌が減る」というところですね。

ネズミの実験なので人間にも当てはまると断定はできませんが、高血糖が眠気の原因と考えられます。すなわち、高血糖は覚醒度を低下させると言えそうです。

 

オレキシンの視点から考えると、冒頭で述べた「朝食を抜くと眠くなる」という説は成り立ちません。そもそも、空腹時に眠くなるのなら、動物は満腹時に捕食活動をするはずですが、そんなことはないでしょう。お腹が空くから、獲物を探すと考えるのが自然です。

また、満腹時でも、糖質摂取量が多かった場合と少なかった場合でも眠気の度合いは異なります。これも食後に血糖値が上がる高糖質食の場合にオレキシンの分泌が抑制されるから、睡魔に襲われると考えることができます。

 

眠ってはいけない場面では、炭水化物を食べるな

 

こういうことですね。

参考文献

テレビでも糖尿病に糖質制限を勧めるようになってきたよ

先日、テレビ東京の「主治医が見つかる診療所」という健康番組を見ていたら、元プロ野球選手の元木大介さんが出演されていて、糖尿病を宣告されていました。

空腹時血糖が140mg/dlを超えており、HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)も詳しい数値は忘れましたが基準値を超えていました。元木さんのように若い頃に体を鍛えていた方でも、糖尿病を発症するのですから、運動をしていたら糖尿病を予防できるとは言えませんね。

その番組では、糖尿病の人が、どのような食事をすれば良いのかを解説していました。どうせ、カロリー制限と運動で血糖コントロールしましょうと言うのだろうと思っていたのですが、意外や意外、糖質制限を指導していたのです。

糖質を食べなければ食後高血糖を予防できる

糖尿病は血糖値が上がっている状態が継続する病気です。糖尿病の方は合併症を予防するために血糖値を上げないようにする、上がった血糖値は速やかに下げることが大切です。

人間は食事をした後に血糖値が上がるのですが、直接血糖値を上げるのは糖質だけです。したがって、米、パン、麺類、果物、イモ類、砂糖など、糖質が多く含まれている食品を食べなければ食後高血糖を起こすことはありません。

タンパク質を食べた時にも、すい臓のα細胞からグルカゴンが分泌されて血糖値が上がりますが、同時にβ細胞からインスリンが分泌されて血糖値が下がるので、見た目の血糖値の上昇は起きません。もしも、タンパク質摂取で血糖値が上がった場合は、すでにβ細胞の働きが弱くなり、インスリン分泌が減っていると考えられます。

 

これまでテレビの健康番組では、血糖コントロールにカロリー制限を勧めることがほとんどでした。他には、糖質摂取前に野菜など食物繊維が豊富に含まれている食品を食べて、血糖値の上がり方を緩やかにするという方法も、よく紹介されていましたね。

しかし、どちらも、血糖値を直接上げる糖質摂取をやめましょうとは言ってませんから、これらの方法で食後に血糖値上昇を予防することは不可能です。食後高血糖を予防するためには糖質制限が当たり前なんですよね。

低糖質食品の貢献が大きいと思うよ

これまで、カロリー制限や食べ順を考慮する食事ばかりが、テレビで紹介されていたのはスポンサーに配慮していたからではないかと思うんですよね。

食品メーカーがスポンサーになっていれば、なかなか糖質制限を勧めることはできません。パンなんて糖質の塊ですし、調味料にも糖質が多く含まれています。清涼飲料水なんて砂糖水みたいなものです。

これらスポンサーから番組制作費が出ているのですから、糖質の悪口なんてテレビで言えるわけありませんよ。

ところが、最近では、多くの食品メーカーが糖質オフ食品を作るようになってますから、「糖質を控えましょう」と言っても、スポンサー攻撃にならなくなっているのではないでしょうか?

むしろ、新規分野の開拓のためにも、番組内で糖質制限に言及してくれた方が、スポンサー企業にとっては低糖質食品の売れ行きが良くなるはずです。

 

テレビ番組の中では、白米の代わりにカリフラワーを使った「もどきご飯」が紹介されていました。糖質を制限した方が良いと思っていても、なかなか白米をやめられないという方は、もどきご飯を作ってみると良さそうですね。

糖質制限に慣れてくれば、低糖質食品やもどきご飯を食べようとは思わなくなってきます。でも、糖質制限を始めたばかりだと、何を食べたら良いのかわからないということもあるでしょうから、低糖質食品やもどきご飯を普段の食事に採り入れると、糖質制限を困難に感じないのではないでしょうか。

ちなみに私は、最初から低糖質食品などは食べませんでした。体の変化を早く知りたい方は、いきなり1食の糖質摂取量を20グラム未満に抑えるスーパー糖質制限を始めた方が良いですよ。

糖質制限でHDLコレステロール増えまくり。中性脂肪下がりまくり。

糖質制限に関しては、様々な批判があります。

糖質は三大栄養素だから食べなければならないとか、タンパク質の摂取量が増えるから腎臓を壊すとか、脂質の摂取量が増えるから血液がドロドロになるとか。

でも、これらの批判は、何も調べずに言ってることが多いんですよね。三大栄養素の語源は人体に必要という意味ではないですし、厚生労働省はタンパク質が腎臓に悪いという根拠はないと言ってます。

では、糖質制限をすると脂質摂取量が増えて血液がドロドロになるというのはどうでしょうか?

糖質制限でLDLコレステロールは増えている

そもそも「血液ドロドロ」がどういう状態か知りませんが、一般的なイメージとしては俗に悪玉コレステロールと呼ばれているLDLコレステロールの値が高いことを指しているようです。

糖質制限を始めてから、血液検査でLDLの値が高いと指摘されるようになったという噂はよく聞きます。

医師の清水泰行先生が、糖質制限をしている59名の方の血液検査のデータを集計した結果をブログに掲載しているのを見ると、糖質制限をするとLDLコレステロールが上昇する傾向にあることがわかりました。

 

LDLコレステロールの基準値は70~139mg/dlですが、糖質制限をしているグループでは、約半分の人が基準値を超えています。糖質制限をしていないグループだと20%程度が基準値超えなので、明らかに糖質制限をしているグループの方がLDLコレステロールが高い傾向にあると言えます。

HDLコレステロールが増えすぎ

コレステロールには、LDLコレステロールの他に善玉と呼ばれているHDLコレステロールもあります。

HDLコレステロールは高い方が良いとされていますから、数値が低いとお医者さんから血液ドロドロと言われるのでしょうね。

なお、HDLコレステロールの基準値は、40~85mg/dlです。

HDLコレステロールについても、清水先生のブログで糖質制限をしている人のデータが掲載されています。

 

日本人一般のデータだと、HDLコレステロールは、40~70mg/dlの間に集中しています。

ところが、糖質制限をしているグループでは、60mg/dl未満の人はゼロです。それどころか、100mg/dlを超える人が全体の40%もいるのです。日本人一般のデータだと1.7%の人だけが100mg/dl超えなので、糖質制限をしている人の方が圧倒的にHDLコレステロールの値は高いです。

糖質制限をすると、血液がドロドロになるという批判が怪しくなってきましたね。

糖質制限で中性脂肪も下がる

さらに清水先生のブログの上の記事では、糖質制限をしている人の中性脂肪の値も掲載されているのですが、これも驚きの結果です。

脂質ばかりを食べていると中性脂肪が増えると言われています。しかし、脂質摂取量が増えやすい糖質制限をしている人は、日本人一般よりも中性脂肪の値が遥かに低いのです。

ちなみに中性脂肪の基準値は、50~149mg/dlです。

糖質制限をしているグループでは、中性脂肪の値が49mg/dl未満の人が全体の約60%もいます。「中性脂肪が少なすぎる」とお医者さんに怒られる人ばかりじゃないですか。糖質制限をしていたら、血管の中が中性脂肪だらけになって、血液がドロドロになるんじゃなかったの?

日本人一般だと約30%の人が中性脂肪が150mg/dl以上ですから、ご飯や麺類を食べている方が中性脂肪が高くなる傾向にあるといえるでしょう。

 

まとめると、糖質制限をするとLDLコレステロールは高くなる傾向にあるけども、HDLコレステロールも同時に上昇し、中性脂肪が極端に下がりやすいとなりそうです。

お医者さんから「中性脂肪を下げなさい」と言われたら、糖質制限をするしかないでしょう。


糖質制限中に甘いものを食べたくなったらプロテインを飲む

健康のため、ダイエットのため、美容のため。糖質制限をする目的は人それぞれです。

健康や美容のための糖質制限は一生続けるのが基本ですが、ダイエット目的の糖質制限だと目標体重まで減量できたところで一区切りつけるのもありです。しかし、糖質制限をやめれば、お腹に脂肪がつきはじめますから、ダイエット目的の場合も結局は一生糖質制限をすることになります。

そうは言っても、これまで炭水化物(糖質)大量摂取を習慣にしていたのですから、「今日からきっぱり糖質とは縁を切る」と宣言して糖質制限を実行できる人は半分程度ではないでしょうか?

糖質、特に甘いものへの誘惑に負けて糖質制限を断念する人もいると思います。

食べることは栄養補給が目的

ところで、人間が食事をするのはどういうことでしょうか。

それは、生きていくために必要な栄養素を補給することですよね。

人間が必ず外から補給しなければならない栄養素は、大きな分類では、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルの4種類です。ブドウ糖は体内で合成できるので、外から補給する必要はありません。必須糖質は存在しないというのは、これが理由ですね。

他にカロテノイドとかポリフェノールとか、いろいろ健康に良いとされている栄養素がありますが、これらも摂取しなければ死ぬということはないので必須栄養素ではありません。食物繊維も同様に必須栄養素ではありません。

一方、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルは体内で合成できないか、合成できても必要量を賄えない必須栄養素です。だから、これらは生きていくために食事から必ず補給しなければならないんですね。

食べる時は必須栄養素の補給を意識する

タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルは必須栄養素ですから、食事をする時は、必ずこれらの栄養素を補給することを意識すべきです。

朝、昼、晩の食事はもちろんのこと、間食時もタンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルを補給するようにしましょう。

 

さて、糖質制限中に甘いものが食べたくなったり飲みたくなったりした時は、どうすれば良いでしょうか?

低糖質食品を利用するのも一つの手です。

でも、私は食べ物や飲み物を口に入れる場合は、必須栄養素の補給を意識すべきだと思っているので、間食時でも必須栄養素を補給できる食品や飲み物を選んでいます。

糖質制限中に甘味が恋しくなった場合で、しかも必須栄養素を補給するのに便利なのがプロテインです。プロテインは、ボディビルダーやスポーツ選手が飲むものだと考えがちですが、手軽に必須栄養素のタンパク質を補給できるので、仕事の合間の息抜きなどで飲むのに最適です。

コンビニや自動販売機でジュースを買って飲むのも、プロテインを飲むのも、費用は同じくらいです。むしろ、プロテインの方が安いくらいです。それでいて、プロテインは1食分でタンパク質を約15グラム摂取できます。ジュースだと糖質ばかり含まれています。人工甘味料を使ったジュースは糖質が少ないですが、必須栄養素もほとんど含まれていません。

プロテインなら、ビタミンやミネラルも配合している商品がありますから、同じくらいの値段なら断然プロテインの方が栄養補給に優れています。

 

私は、近所のドラッグストアでザバスというプロテインを買うことが多いです。1食当たりの糖質量は3グラム未満ですから、糖質制限中でも気にならない量です。

味は、ココア味やバニラ味があります。他のメーカーのプロテインだと、もっと味の種類が豊富です。

 

ただ、プロテインは職場に粉のまま持っていくのが不便です。手軽に持ち歩くなら、スティックタイプのアミノ酸飲料が便利です。しかし、アミノ酸飲料はタンパク質(アミノ酸)の量が少なく、値段もプロテインより割高です。

 

自宅で甘い物が欲しくなったらプロテイン。職場で甘い物が欲しくなった時はアミノ酸飲料。

このように使い分けるのもありですね。

糖質制限中に甘いものが欲しくなって糖質を摂取するなら、できるだけ糖質量が少ない食品を選ぶのは当然ですが、必須栄養素が豊富な食品を選ぶべきです。糖質量が少ない飲み物、パン、麺類を口に入れるよりも、プロテインの方が健康面にも美容面にもおすすめです。

 

必須栄養素が乏しい食品や飲料は口にしない

この意識を持っているかどうかで、毎日の食事の内容が変わってきます。

美味を求めるのがグルメではありませんよ。

ポッコリお腹は糖質腹。パンパンにむくんだ顔は糖質顔。

お父さんのポッコリと出たお腹をビール腹と言いますよね。

ビールが大好きな人ほど、お腹が出っ張っている印象がありますから、ビールを飲むと太るような気がします。でも、ビールだけでそんなにお腹が出っ張ってくることはないでしょう。

 

ビールを飲んでるお父さん=肥満

 

という思い込みがあるから、単純にビールで太ると思い込んでいるだけだと思いますね。

お腹の出っ張りは米とパンが原因

お父さんのお腹が出ている理由は、米とパンを食べているからです。

1日3食の中で、米もパンも食べないお父さんはほとんどいないでしょう。みんな同じように米やパンを食べているから、それらが肥満の原因だと気付きにくいだけです。

米とパンに共通しているのは、炭水化物(糖質)が多く含まれていることです。糖質は体内に入ると、脂肪に変わって溜まっていきますから、米やパンを食べる量が多いほど、米やパンを食べている期間が長いほど、体に脂肪が蓄積されやすくなります。

なので、30歳を過ぎた頃から男性は、お腹がポッコリと前に出始めます。こういうお腹を糖質腹(とうしつばら)と言うんですよ。

どんなにカロリー制限をしていても、米やパンを食べ続けている限りは、体重は減っても糖質腹は解消しません。糖質腹をへこませようと思ったら、米もパンも食べない糖質制限をするのが近道です。

糖質腹の自覚がない

しかし、糖質腹を抱えている人に米やパンを食べるからお腹が出っ張るのだと説明しても、ほとんど理解されません。

「糖質を食べると太るのは本当なんだって」

と言っても、9割以上の人はスルーします。どんなに理論的に説明しても無駄です。米やパンは太らないと信じていますから、理屈で理解しようとはしません。

 

 

こういうことをどんなに説明しても、「そうなんだ。今日から糖質制限するよ」と言う人は極めて少ないです。

そもそも、理論で相手の気持ちを変えようとするのが難しいことなのです。ほとんどの人が感情で動くのですから、感情に訴える方法をとらなければ肥満の原因が糖質だと気付かれにくいです。

だから、太っているお父さんには、一言こう言うのです。

 

「あなた、そのお腹、糖質腹よ」

 

と。

何度も何度も「とうしつばら」と聞かされていれば、そのうち、「そうか、自分の突き出た腹は米やパンを食べているからなのか」と思い始めるものです。

ここまで来れば、ランチの時や居酒屋でちょっと飲んでいく時でも、「糖質オフ」「糖質カット」「低糖質」と書かれたメニューに目が行くようになり、少しずつ糖質制限をし始めるはずです。

 

理屈よりもインパクトのある一言の方が、人の意識を変えやすいものです。ほら、どこかのコンサルタントが書いていそうなセールスライティングとかの本に載ってるでしょ。

むくんだ顔は糖質顔

糖質腹のついでに言っておきますが、パンパンにむくんだ顔は糖質顔(とうしつがお)です。

テレビで、芸能人の方の若かりし日の映像が流れることがありますよね。

20代の頃の芸能人の方の顔は、顎がシュッとしていて細いですが、40歳以上になると顔がパンパンになって下膨れになっていることが多いです。すべての芸能人の方がそういうわけではありませんが、芸人さんだと、加齢に従って顔がパンパンになっていく傾向があります。

あれも、米やパンを食べ続けた結果です。

糖質を摂らなければ、顔に脂肪が溜まりにくいですから、若い時と顔の大きさはほとんど変わりません。でも、毎日、糖質を食べている方だと加齢に従い、目の下あたりがアンパンマンのように膨らんできます。これは糖質が原因なんですね~。

なんで、そんなことが言い切れるのかって?

糖質制限をしたら、顔がシュッとしたからですよ。

小顔になりたいと言う女性は多いですが、それなら、まず糖質制限をすることです。米やパンを食べている限り、顔が膨らんでいくのを防ぐのは難しいです。定期的にフルマラソンに参加しているのなら小顔をキープして、糖質顔になるのを防げるでしょうが、全ての人ができる方法ではないです。

だから、糖質制限。

低糖質高タンパクな食事をすれば、パンパンに膨らんだ糖質顔になることはそうそうありません。

タンパク質を食べ過ぎると腎臓が悪くなると言う人がいますが、あんなのは迷信です。何の根拠もございません。

 

カロリー制限をして痩せたところで、米やパンを食べている限り糖質顔の解消は困難です。

しっかり食べて小顔を目指すなら、糖質制限をするしかないでしょう。

糖尿病もアルツハイマー病もインスリン抵抗性が関係している

血糖値を下げられなくなり高血糖状態が持続する病気を糖尿病と言います。

糖尿病は、それ自体では死ぬことはないのですが、様々な合併症を引き起こすので、とても危険な病気です。また、糖尿病になると、ガンや心筋梗塞などの生活習慣病にかかる確率も高まるとされているので、糖尿病の予防は健康を保つためにとても大切なことです。

さらに糖尿病は、認知症の一種であるアルツハイマー病とも深く関係していることがわかってきています。

インスリンが血糖値を下げる

血糖値が上がるのは、米、小麦、砂糖など炭水化物(糖質)が多く含まれている食品を食べる場合です。

血糖値は、血液の中のブドウ糖のことですから、炭水化物が腸でブドウ糖に分解されて吸収されると血糖値が上がります。血糖値が上がると、すい臓のβ細胞からインスリンが分泌され、筋肉や脂肪組織にブドウ糖が取り込まれて血糖値が下がります。

しかし、頻回に糖質摂取を続けていると、インスリンの作用で肥満し、やがて脂肪組織がブドウ糖を取り込めない状況となってしまいます。このようにインスリンは分泌されているけども、その作用が低下し血糖値を下げられなくなることをインスリン抵抗性と言います。

鬼頭昭三先生と新郷明子先生の共著「アルツハイマー病は『脳の糖尿病』」では、糖尿病とアルツハイマー病が同じような仕組みだと述べられています。インスリン抵抗性は、脳でも起こり、それがアルツハイマー病と関係しているそうです。

海馬でもインスリンが作られる

インスリンを作るのは、すい臓のβ細胞だけかと思っていたら、実は脳の海馬でも作られていることを知りました。かつて、この事実は医師の間でもあまり知られていなかったようですが、現在では多くの医師に認知されているそうです。

海馬は記憶を司っています。海馬でのインスリン分泌量の減少やインスリン抵抗性は、海馬がブドウ糖の取り込みをできなくなります。そのため、海馬がエネルギー不足に陥り記憶力が悪くなることはなんとなく想像できますね。

また、すい臓で作られたインスリンも脳に作用するのですが、インスリン抵抗性がある状況ではインスリンの効き目が悪くなるとも述べられています。

健康な状態では、膵臓でつくられたインスリンは、血液脳関門と呼ばれる血流と脳との間にある関所を容易に通過して、脳で作用を発揮できます。ところがインスリン抵抗性の状態では、インスリンは血液脳関門を越えて脳の中に入り込むことが難しくなり、記憶物質として働くことも難しくなるのです。糖尿病の人がアルツハイマー病になりやすいことの原因の一つがこれです。インスリン濃度が高いと脳の中に入りやすいように思えるところですが、話は逆なのです。(120ページ)

上の文章の最後の部分「ンスリン濃度が高いと脳の中に入りやすいように思えるところですが、話は逆なのです」が重要な記述だと思います。

先ほども述べましたが、インスリンは炭水化物(糖質)が多く含まれている食品を食べると、たくさん分泌されます。インスリンがたくさん分泌されている方が、血糖を脳に取り込めると思いがちですが、実はそうではないんですね。高インスリン血症の状態では、インスリンが血液脳関門を通過しにくくなり、結果として脳のブドウ糖取り込みが阻害されてしまうのです。

 

「脳がしっかりと働くためには、ブドウ糖が必要だから、糖質をたくさん食べましょう」

こういうことをよく耳にしますが、糖質を食べて血液の中がインスリンで溢れかえっている方が、かえって脳へブドウ糖が供給されにくくなるのですから、脳をしっかりと働かすためにはインスリンの無駄撃ちを減らすことの方が重要でしょう。

糖質を摂取しなくても、肝臓や腎臓でブドウ糖を作り出せます。この機能を糖新生といいます。高インスリン血症を回避するためには、糖質摂取を減らし、糖新生で作り出したブドウ糖や脂肪酸から合成されるケトン体を脳に送り込む方がアルツハイマー病の予防になるのではないでしょうか?

糖尿病もアルツハイマー病も、インスリン抵抗性を惹き起こさないことが大切なら、インスリンの過剰分泌を避ける糖質制限は、糖尿病にもアルツハイマー病にも、理にかなった予防用と言えますね。

参考文献

糖尿病とアルツハイマー病は予防法が同じ

前回の記事では、アルツハイマー病がインスリン抵抗性と関係があることを紹介しました。

インスリン抵抗性は、血糖値が上がった時にすい臓のβ細胞から分泌されるインスリンの効きが悪くなって、高血糖を解消しにくくなる状態です。インスリン抵抗性があると、将来的に糖尿病になる危険もありますから、インスリン抵抗性を惹き起こさないようにすることは、アルツハイマー病や糖尿病の予防に重要となると想像できますね。

アミロイドβタンパクの蓄積

前回も紹介した、鬼頭昭三先生と新郷明子先生の共著「アルツハイマー病は『脳の糖尿病』」では、脳にアミロイドβタンパクが蓄積していくことがアルツハイマー病発症の原因だと述べられています。

アルツハイマー病になると、特に記憶を司る海馬に悪影響が出やすいことから、早期に記憶障害を起こします。

インスリンは脳の中で、神経細胞の生存、修復を支え、記憶をつくり、アミロイドβタンパクを分解する作用を持っています。脳でのインスリン作用がうまく機能しなくなれば、アミロイドβタンパクの蓄積を招きます。さらにいうと、アミロイドβタンパクの蓄積は脳の中のミクログリアといわれる細胞を刺激して、サイトカインなどの炎症性物質の分泌を亢進させ、インスリン情報伝達をさらに悪化させるという悪循環を招き、アルツハイマー病を進行させることになります。
結論としては、アルツハイマー病の基本的な原因は、脳内でのインスリン抵抗性の存在であると考えられるのです。(123~124ページ)

インスリン抵抗性があると、高インスリン血症になりやすくなります。高インスリン血症の状態では、インスリン分解酵素がインスリンの分解のために多く消費されます。インスリン分解酵素は、アミロイドβタンパクの分解もしてくれますが、高インスリン血症の状態では、インスリン分解酵素はインスリンの分解に多く使われ、アミロイドβタンパクの分解が疎かになるそうです。

だから、高インスリン血症の予防、すなわち、インスリン抵抗性を惹き起こさないことがアルツハイマー病予防に重要だと考えられるんですね。

いかにしてインスリン抵抗性を予防するか

「アルツハイマー病は『脳の糖尿病』」によると、糖尿病予防もアルツハイマー病予防も同じで、インスリン抵抗性を惹き起こさないことが大切だということです。

そのためには、インスリンの無駄撃ちを抑えなければなりません。

インスリンは、血糖値が上がった時に分泌されるので、血糖値を上げないこと、上がった血糖値を速やかに下げることがインスリンの無駄撃ちを防ぐために重要となります。

血糖値を上げないようにするには、糖質が多く含まれる食べ物を控えることです。

食事療法において大切なのは、一食ごとの炭水化物の摂取量を計算する。カーボカウントという方法です。血糖を上げるのは炭水化物だけであり、カロリーではないからです。(157ページ)

そして、上がった血糖値を速やかに下げるためには運動療法を行うのが効果的です。

運動をしている筋肉は血中のブドウ糖を取り込み、エネルギー源として消費するので、血糖値がその場で下がる。(155ページ)

さらにやってはいけないことには、飲酒や禁煙が挙げられていますが、最も重要と思ったのは、「運動療法と食事療法を行わないまま、糖尿病薬を内服すること」という部分です。

薬さえ飲んでいれば、糖尿病もアルツハイマー病も悪化しないと考えるのは危険だということですね。

 

血糖値を上げないためには、炭水化物(糖質)を控える糖質制限をした方が良いでしょう。

同書では、ブドウ糖消費の多い脳の健康のために朝食を抜くことは良くないとの記述がありますが、この部分には疑問を感じます。睡眠中に多くのブドウ糖を使い、肝臓に蓄えたグリコーゲンが少なくなっているので、朝食時に糖質をしっかり補給すべきだということなのでしょう。しかし、朝は副腎から血糖値を上げるコルチゾールというホルモンが分泌されていますから、わざわざ朝食で糖質を摂取する必要はないはずです。

副腎疲労を起こしてコルチゾールの分泌が悪くなっているなら、普段の食事で、コルチゾールの合成に必要なビタミンB群をしっかり補給することが大切です。

運動も、食前の無酸素運動で、少しでも筋グリコーゲンを消費しておいた方が良いと思います。運動をするとGLUT4というグルコーストランスポーターが骨格筋に発現し、インスリンに依存しなくても血糖を骨格筋に取り込んで血糖値を下げることができるからです。もちろん、食後の有酸素運動も血糖値を下げる効果を期待できますが、血糖値を下げることよりも上げないことの方が大切だと思います。

 

とりあえず、まずは糖質制限ですね。糖尿病やアルツハイマー病の予防だけでなく、ダイエット効果も期待できますから、やらない理由が見つかりません。

参考文献

高インスリン血症は怖い

食事で、炭水化物(糖質)をたくさん食べると血糖値が上がります。上がった血糖値は、すい臓のβ細胞からインスリンが分泌されて元の状態まで下げられます。

しかし、肥満などを原因として、インスリンが分泌されても血糖値が下がらなくなることがあります。この状態をインスリン抵抗性と言います。インスリン抵抗性があると、すい臓のβ細胞は、血糖値を下げるためにさらに多くのインスリンを分泌します。そすうると、血液の中はインスリンで溢れかえってしまいます。これが高インスリン血症と呼ばれる状態です。

この高インスリン血症は、結構怖い状態なのですが、注意喚起されることがあまりないように思います。

高インスリン血症はガンになりやすい

高インスリン血症の状態は、アルツハイマー、ガン、高血圧のリスクになることが、鬼頭昭三先生と新郷明子先生の共著「アルツハイマー病は『脳の糖尿病』」に書かれています。

インスリンには、血糖値を下げる作用だけでなく、細胞増殖因子として働く増殖作用があり、これがガンになりやすい原因と考えられています。

高インスリン血症の人ががんになりやすいのは、このうちの増殖作用によるもので、これにより、がん細胞が増殖して膵臓がん、肝臓がん、大腸がん、卵巣がん、胃がんの危険性が高くなります。糖尿病の人の中でがんのリスクが高いのは、初期から中期の糖尿病のために血中のインスリン濃度が異常に高い人と、糖尿病がさらに進行して、インスリンの自己注射をしなければならなくなった人です。(94~95ページ)

よく牛肉を食べると大腸ガンになると言われますが、牛肉よりもまずは、高インスリン血症を防ぐことの方が大腸ガン予防には大切でしょう。

ガン細胞は無限に増殖していくのですから、その増殖を助けるインスリンの分泌を抑えるための努力を優先した方が良いと思いますね。

糖質制限で高インスリン血症を防ぐ

血糖値が上がると、インスリンが追加分泌されるのですから、高インスリン血症を防ぐ第1歩は血糖値を上げないことというのは容易に想像できます。

そして、糖質、脂質、タンパク質の三大栄養素の中で、血糖値を直接上げるのは糖質だけですから、血糖値を上げないためには糖質摂取量を少なくする糖質制限が大事だとわかります。

でも、現在は糖質制限をすすめるお医者さんは少数派です。高インスリン血症が、ガンのリスクとなることがわかっているのに不思議ですね。

インスリンは、糖質摂取時だけでなくタンパク質摂取時にも分泌されます。しかし、糖質摂取時ほどはインスリン分泌量は少ないです。それでも、タンパク質摂取でインスリンが分泌されますから、この事実を知っている人の中には、1日の食事回数を少なくしてインスリン分泌の回数も制限している人がいますね。

糖質とタンパク質の同時摂取は止める

糖質を摂取した時とタンパク質を摂取した時にインスリンが分泌されますが、これらを同時に摂取するとさらにインスリンの分泌量が増加します。

1食の糖質摂取量を20グラム以下に抑えるスーパー糖質制限をしていれば、糖質をほとんど摂取しませんから、糖質とタンパク質の同時摂取によるインスリンの大量分泌は起こりません。でも、1日の食事の中で1食や2食は、白米、パン、麺類を食べる緩い糖質制限をしている方だと、糖質とタンパク質の同時摂取によるインスリンの大量分泌を経験しますから、ガンになるリスクが高まるのではないでしょうか。

もちろん、インスリン抵抗性がなければ、高インスリン血症にはなりません。でも、頻回の糖質摂取でインスリンの追加分泌を何度も経験していると、糖質が中性脂肪となって体に蓄えられていきますから、やがてインスリン抵抗性が惹き起こされる危険があります。

 

インスリンの無駄撃ちに何のメリットもないです。

高インスリン血症が、ガンのリスクを高めていると考えられているのですから、糖質制限をしてインスリン分泌を減らしておいた方が良いと思うんですけどね。

参考文献

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